化粧品・医薬部外品・医薬品の企画・開発を手がけるエムズサイエンス(本社・福岡県、山口真社長)は、テレビやラジオ、チラシを中心に通信販売事業を展開している。右肩上がりの成長を続けているという。山口社長は過去に他社で、コンタクトセンターの立ち上げを経験したことがあるという。そうした中で得た、ノウハウや知見を生かして、自社のセンター運営を築き上げてきたそうだ。山口社長に話を聞いた。
──エムズサイエンスのコールセンターの役割について聞きたい。
当社はテレビ・ラジオなどのインフォマーシャルを中心に通信販売を展開している。
外注先のコールセンターは全国に13拠点あり、1000人以上で対応している。
本社のコールセンター管理は30人ほどで対応している。全国のコールセンターの管理や、お客さま対応の最終的な判断なども担っている。
──コンタクトセンターの運営はどのような考え方に基づいて行っているか。
私自身、この会社を創業する前、別の通販企業でコールセンターの立ち上げを任された経験があった。制度設計から採用、人材教育、顧客対応までに携わった。その経験が現在のエムズサイエンスのコールセンター運営の基盤づくりに生かされているとも言える。
──カスタマーハラスメント対策は。
一般的なコールセンターでは、スタッフが重いクレームを一人で抱えてしまうことも少なくない。しかし当社は、一社員に最後まで判断を担わせることは良くないと考えている。スタッフが精神的に追い込まれる恐れがあるからだ。
一方で、お客さまの重大なお声を、経営層が把握できない、体制や姿勢にも問題があると考えている。そのため当社では、クレーム対応について、経営層や責任者が都度判断し、適切に対応する仕組みを整えている。
──コールセンター管理(本社)のスタッフの教育方法・研修方法について聞きたい。
コールセンターのスタッフにかかわらず、当社では入社後、最初の1年は教育係がつく。働きやすい環境づくりを心がけている。
こうした取り組みも、起業前にコールセンターの立ち上げの責任者を担った時の経験が基になっている。
「働きやすさ」は、制度だけで実現できるわけではない。制度を利用しやすい、社風や関係、体制をつくっていくことが重要だ。
例えば、電話対応後に元気がないスタッフへ声をかけたり、「ありがとう」を積極的に伝え合ったりするなど、「互いに支え合う文化」を根づかせている。
──コールセンターの運営理念や大切にされていることは?
「我が社はWin-Winのハッピーを目指します」─これが当社の企業理念だ。
「あなたと私、お互い幸せになるためには」を常に考え、選択している。心から「ありがとう」と言い合える関係を、社内・社外で関わるすべての人々と築いていけるようにするため、時間と、日々の努力を惜しまないということを最も大切にしている。
お客さまはもちろんだが、当社のメンバーが幸せであるようにと考えて、日々のセンター運営に取り組んでいる。
