ガラス瓶やペットボトルなどの容器の企画販売などを行うヤマトマテリアル(本社東京都、森川智会長兼社長)はこのほど、既存のボトルドウォーターのサーバーに設置可能な、“浄水型のウォーターボトル”の開発を進めていることを明らかにした。浄水型ウォーターサーバーのニーズが拡大していることを受けて開発を始めたという。同社が開発中の浄水型ボトルを使えば、ユーザーにサーバーを買い替えてもらうことなく、浄水市場に参入することが可能になるとしている。
リターナブルボトルで高いシェア
ヤマトマテリアルは、水宅配の容器や設備のサプライヤーだ。同社ではこれまで、水宅配事業をワンストップで支えるサービスを提供してきた。ウォーターサーバーや水ボトル、ボトルのキャップの提供などを行っている。サーバーのメンテナンスも手掛けたりしている。水ボトルは、リターナブルとワンウェイの両方の容器に対応している。リターナブルについては、国内の水ボトルのシェアの約4割を、同社が占めているという。ヤマトマテリアルでは、年間最大120万本の水ボトルの製造が可能だとしている。
採水工場を展開する宅配水メーカーに対しては、工場内に設置する水の充填機を提供したりもしている。水ボトルを膨らませるブロー機を充填ラインごとに提供することも可能だという。
微生物汚染もモニタリング可
同社では現在、宅配水で使用するウォーターサーバーに接続することができるタイプの“浄水型ウォーターボトル”の開発を進めているという。エンドユーザーが自宅で水道水を浄水型ウォーターボトルに補充すると、ボトル内でろ過された水が、サーバーを通して取水できるようになる仕組みを想定しているという。なお、フィルターには、中空糸膜を採用しており、有機フッ素化合物(PROS/PFOA)にも対応する見込みだ。
従来は、水宅配の会社が浄水型の仕組みを新たに採用する場合、浄水型ウォーターサーバーを仕入れる必要があった。既存のエンドユーザーに浄水型への切り替えを促す場合にも、ウォーターサーバー自体を買い替えてもらう必要があったという。同社が開発中の“浄水型ウォーターボトル”では、そうした煩わしさをエンドユーザーに感じさせることなく、顧客に浄水型プランへの切り替えを提案することができるようになるという。