アスクルは10月19日にランサムウェア感染によるシステム障害が発覚し、法人・個人向け通販サービスの受注・出荷を停止した。サービスの再開を待つ顧客に一刻も早く、商品を届けようと、同29日からWMSを介さない、手運用による出荷トライアルを開始している。
「ASKUL横浜DC」でも11月10日から、一部の顧客に向けて、箱(ケース)単位で商品を出荷する業務を再開した。
同センターでは通常、箱単位での出荷の際は携帯端末「ハンディターミナル」を活用し、出荷商品の情報や、出荷時の注意点、在庫品のロケーションなどを確認しているという。しかし、現在はスタッフが紙に出力した注文情報を入念に確認しながら、商品のロケーションを確認し、目視で間違いがないようにピッキングしている。

▲手作業で荷札を貼付
荷札を貼る作業も通常は、機械で行っているが、現在は手作業で貼り付けている。通常は商品をローラーコンベアに載せて、庫内をスムーズに移動するが、現在はスタッフが商品をパレットに載せて、ハンドフォークで移動し、エレベーターで車両に積み込みを行う1階まで運んでいるという。
通常時、注文情報に応じて絶え間なく動くマテリアルハンドリング(マテハン)システムは停止している。ローラーコンベアの上で折り畳みコンテナも止まったままだ。

▲ローラーコンベアの上で折り畳みコンテナも止まったまま
アスクルはFAX注文・手運用で対応する顧客や商品を順次、拡大している。集中購買サービス「ソロエルアリーナ」では先行して、ウェブ注文の対応も一部、再開している。
12月上旬にはASKUL Webサイトでの注文受け付け、一部物流センターからの通常出荷を再開する予定だ。個人向け通販サービス「LOHACO(ロハコ)」は、法人向け通販サービス「ASKUL」の本格復旧後に再開させる計画だという。
