同社の開発スタイルの特徴は、徹底した「マーケットイン」の発想だ。「作りたいものを作るのではなく、市場の不満や要望を解消するものを作る」という方針を掲げる。
主力商品の一つである「ウォッシュボーイ TOM-12f」は、「泥汚れのユニフォームを予洗いしたい」「ペット用品を別洗いしたい」といった顧客の声から生まれた。大手メーカーが高機能な全自動洗濯機にシフトする中、あえてシンプルな機能に絞り込むことで、特定のニーズを持つ層から熱烈な支持を得ている。
顧客の声の収集には、ECサイトのレビューを積極的に活用している。同社の白石浩二専務は、「Amazonなどのレビューには担当者が返信をする。低評価の意見は、商品の改良や、取扱説明書の改善に直結させている。膨大なレビューの分析には生成AIも導入し、効率的なニーズ把握に努めている」と話す。
海外の提携工場からの提案も柔軟に取り入れているという。「海外で売れている大型商品を日本サイズにリサイズする」といった手法も取り入れ、国内市場に新たな価値を提供している。
同社は、問屋業からメーカーへと業態転換し、現在は売り上げの約7割を自社商品が占める。EC事業は売り上げ全体の約5割を占めるまでに成長したという。「実店舗と異なり、ECには売り場の制限がない。ニッチな商品でも在庫を持ち続け、必要とする顧客に届けられるのが強み」(同)とし、今後も独自の視点で開発を進める考えだ。
長期的には海外販売の強化も視野に入れており、日本企画の商品のグローバル展開を目指す。
