母の背中を追って独立
――「山野愛子どろんこ美容」のサロンを始めたきっかけを教えてください。工藤 「山野」の仕事に携わり始めたのは約10年前です。それまでは、別のエステサロンで仕事をしていましたが、母が経営していた「山野愛子どろんこ美容エステックサロン のり子」でスタッフとして仕事をはじめました。その後、4年前に独立し、現在の「クレイビューティ」を開業しました。
鈴木 私は、先に「山野」の仕事を始めていた妹と、5年前から一緒に活動しています。その前は専業主婦でした。
工藤 私は、小学校時代から母のすすめで山野の化粧品を使い続けています。他のエステ関連の仕事に就いていたときも、山野の商品を愛用していました。「他の化粧品で肌が荒れても、山野に戻すと肌の調子がすごくいい」という実体験から、山野の製品をとても信頼していました。
独立に際しては、母からの「大変だから」という理由で反対されましたが、どうしても山野の仕事がやりたかったので、開業しました。
――二人のサロンに通っているお客さまの層について教えてください。
工藤 「クレイビューティ」のお客さまは、20~30代が中心です。ヘッドスパを実施しており、男性のお客さまもいます。
月間150人のお客さまが来店してくれます。毎週土曜日は、15人近いお客さまが来店します。仙台や秋田、福島から来店してくれるお客さまもいます。
サロンは、隠れ家的な雰囲気を出すために、美容サロンであることが分かる看板を掲げていないこともあり、新規のお客さまの9割が紹介です。
独立当初の集客は、前職を辞める際に「自分でサロンをやる」と伝えたところ、そのまま付いてきてくれたお客さまが山野の製品に乗り換え、さらに紹介してくれたことが大きな起点となりました。
親や親族が山野の化粧品を使っていた縁でサロンを知り、「使ってみたい」と来店されるケースが多く、一度使用すると「市販の化粧品を使うのが怖くなる」といった声が聞かれます。
第一印象で心を許す接客術
――お客さまと関係を構築する上で、心がけていることを教えてください。
工藤 お客さま一人一人に合わせて接する、パーソナルな接客を心掛けています。特に、カウンセリングの際には、服装や髪形、お客さまの乗っている車などを自然と「褒める」ことを意識しています。
鈴木 褒めるタイミングが大事です。サロンや私たちに対する第一印象をどのように持ってもらうかを、意識しています。お客さまとアットホームな関係を築くために、自然とボディータッチができる距離感を作るようにしています。
お客さまは、エステや化粧品の話だけでなく、仕事の悩みからプライベートなことまで、何でも話せる場所としてサロンを訪れてくれます。
工藤 もともとお客さまの紹介で来てくれる人がほとんどなので、ある程度気軽に話せる関係があります。カウンセリングをしていると、すごく心を許してくれる方が多く、1〜2カ月もあれば、すぐに打ち解けてしまいます。
鈴木 商品やエステのコースを勧める際も、すでに信頼関係を築いた上で提案するので、「あなたのおすすめならなんでもやるわ」と言って、購入してくださいます。
お客さまの状況に合わせ、すでにオールインワン化粧品などを使っている人には「朝晩で山野と使い分けて」と提案するなど、無理なく受け入れられる方法を提案しています。
――お客さまとの心に残っているエピソードを教えてください。
鈴木 たくさんありますが、お客さまが旅行に行った際に、自分たちのことを思い出してお土産を買ってきてくれたことがありました。
調理済みの天ぷらや、釣った魚、タケノコなど、予約がないのに持ってきてくれる人もいます。お客さまと深い関係が作れていると感じています。
工藤 最もうれしかったエピソードは、10年来のお客さまが、ご自身の結婚式で、メークさんから「ここまで肌が綺麗な方に初めてお会いした」と褒められた際、「山野のサロンのおかげです」と話してくださったことです。基礎化粧品からファンデーションまで全て山野製品を使ってくださっているそのお客さまは、本当にきれいにケアしてくれています。
