ショッピング専門チャンネル「ショップチャンネル」を運営するジュピターショップチャンネル(本社東京都、小川吉宏社長)は今期ここまでを振り返って、過去最高売り上げを記録した前年と同水準の売り上げを確保しているという。小川社長は「市況感は厳しい年だと感じている。その中でもサプリメントや健康に関する商品の販売が好調だった」と打ち明ける。小川社長に今期のここまでの振り返りと、2025年秋に提供を開始した二つのECサービス、今後の展望などについて聞いた。
経済・気候に左右
──今期のここまでを振り返ってほしい。経済環境で見ると、物価高騰、気候で見ると、異常気象など、市況感は厳しい年だと感じている。
5月に入っても、今年は日照時間が短かった。当社としては、夏物のファッション系は前倒しで販売したが、アテが外れた。梅雨も例年よりも短く、梅雨商材の販売も好調に推移しなかった。
──直近の状況はどうか。
10月から盛り返してきており、想定通りの売り上げで推移している。秋になって外が涼しくなり、「外でお買い物をしよう」「そのときに気に入ったファッションを着て出かけよう」と思う人が増えているのだと考えている。
今期のここまでの売り上げを振り返って、トータルで見ると前年度と同水準の売り上げで進んでいる。特にサプリメント、健康関連商材、食品、ジュエリーの売り上げが好調に推移している。
──ジュエリーが好調な要因は。
パールも好調だったが、金、プラチナの地金系のアクセサリー、小判などが特に好調で、価格も1万円台から数百万円と幅が広い。
地金系はデザイン性の良さが当社のジュエリー好きのお客さまに好評だった。お客さまに向けて番組で分かりやすく説明できたことも良かった。資産形成目的でジュエリーを購入する人もいたと推測している。
──今期好評だった番組について教えてほしい。
2025年10月9日にBS朝日で放送した、俳優の中村雅俊さんが琵琶湖が育んだ食の歴史とおいしさの秘密を明らかにする番組は好評だった。
番組は「あなたの知らない京都旅~1200年の物語~」の特別編。案内人は「ショップチャンネル」で販売する、おせち料理の監修を担ううなぎ料亭「山重(やまじゅう)」の料理長である東田勝彦氏だった。東田氏は京都の名店で修業をしてきた経歴の持ち主だ。おせち料理にも使われている「山重」こだわりの近江牛、うなぎ料理のおいしさの秘密と秘められた歴史を紹介した。
番組後半では、「山重」が監修したおせちを生放送で販売した。やはり、「旅×グルメ番組」は視聴数も多く、さらに新しい番組だと新鮮さをお客さまに提供できる。
──新番組や新商品について詳細を伺いたい。どれくらいの頻度で新たな番組、新商品を販売しているのか。
1週間で500アイテムを紹介し、そのうち約半数が新商品だ。さまざまな軸で分析し、お客さまから支持を集めているものは継続して販売し、状況を見ながら新商品を投入している。
──商品を仕入れる基準は。
当社では七つの基準を定めており、「Unique」「Rare」「Episode」「Value」「Limited」「Reasonable」「Niche」─だ。中でも最も「Episode」を重要視している。単なる機能だけでなく、どこまでその商品が持つ背景や作り手の情熱を伝えられるかが大切になってくる。
番組のゲストには商品を開発した人や、製造に深く関わっている人が出演している。作り手が熱意を持って語ることで、商品への信頼と共感が生まれる。
──「ショップチャンネル」のゲストは長年出演している人が増えてきた印象を受ける。もしその人たちがゲストを引退した後、番組はどうなっていくのか。
もう実例はあるが、ゲストと商品開発者など、次なる番組のゲストをしっかり育て、継承していくことが大切と考えている。
暮らしと美のECを開設
──2025年9月に二つのECサイトを開設した。狙いを伺いたい。
「うちのね、」「CanauBi(カナウビ)」の運営を開始した。「うちのね、」は「お気に入りがつくる、理想のおうち時間」をテーマにホームグッズを中心に用意し、身近なユーザーのリアルな声を参考に商品を選べるコミュニティー型のECサイト。
一方、「CanauBi」は「プロが叶えるわたしのきれい」をテーマに美容のプロによるレビューやコラムから知識と発見が得られるメディア型ECサイトだ。「うちのね、」は当社が展開していたソーシャルコマース事業である「コレイヨ」の運営を通じて得た経験や知見を活用することで、初速は想定通りに伸長している。
「CanauBi」は、美容に関するメディア型ECサイトであり、市場を見ても類似のものが存在するかもしれないが、当社はそこを独自性のある商品力で差別化を図っていきたい。
30年に渡ってテレビショッピングを運営してきた経験を生かして、高品質でストーリー性を持った商品を用意していく。女性の美に関するトレンドは常に進化しており、「CanauBi」では、最先端のエイジングケアを中心に紹介していく。「多くの女性がここに来たら、自分の美容に関する悩みが解決すること」を目指す。
──2026年は開局して30周年を迎える。どのような販促企画を考えていくのか。
2026年1月1日~2027年3月(期末)まで、毎月ビッグイベントを実施する予定だ。新キービジュアル「だから私は、ショップチャンネル。」を掲げ、ブランドCMの放送も開始する。初日の1月1日と毎月30日は特別感のある商品を紹介する感謝企画「30周年サンクスアニバーサリー」を24時間放送する。また、お客さま参加型企画「あなたの声がカタチに!お客さまセレクション」などを放送する予定だ。
リアル面では、ポップアップストアの出店や、来期には東京に常設店を構える計画もある。テレビ、デジタル、リアルを連携させて、多様なお客さまにアプローチするマルチチャネル戦略を推進し、「ショッピングエンターテインメント」を進化させていきたい。
