ビィ・フォアード(本社東京都、山川博功社長)では近年、主力の中古自動車の越境EC事業だけでなく、金融や不動産など、業務の幅を大きく広げている。海外で多数の中古車を販売する同社は、アフリカを中心にかなり高い知名度となっている。「ビィ・フォアード」というワードが、ウェブ検索の総合ベスト10に入る国もあったという。中古車の越境ECを軸に、圧倒的な急成長を見せているビィ・フォアードの山川博功社長に、2025年の振り返りと今後の展望について話を聞いた。
金融・不動産事業を展開
──2025年の取り組みについて教えてほしい。
2025年は主軸となる中古車販売の越境ECだけでなく、金融や不動産などにも、業務の幅を大きく広げることができた1年だった。
子会社の「BE FORWARD FINANCE MONGORIA(ビィ・フォアード ファイナンス モンゴリア)ノンバンク金融機関」を設立し、2025年1月から、モンゴルで自動車ローン事業を開始することができた。
当グループで取り扱う中古自動車に、購入の意思を示してくれた顧客に、低金利の自動車ローンを提供する。モンゴルというマーケットにおいて、現地の人が中古自動車を、より買いやすくなると考えている。モンゴルで金融事業を開始するには、現地の金融庁の許可が必要だ。ライセンスはもちろん取得している。
2025年11月には、アフリカのタンザニアとザンビアで、不動産情報掲載プラットフォーム「BE FORWARD HOMES(ビィ・フォアードホームズ)」のサービスを開始した。
既定の条件を満たした現地の不動産業者が登録し、賃貸・売買物件を掲載できる不動産マッチングサイトだ。
タンザニアやザンビアでは、中間層の拡大などにより、中古車の普及が急速に進んでいる。
ライフステージで、「車を買う」の次に、「家を買う」という流れができつつある。だがこれまで、タンザニアやザンビアでは、こういった不動産情報のプラットフォームがなかった。当社のサービスをきっかけに、現地の人たちが家を買いやすい環境になっていけばと思う。
現地での知名度を
当社が事業の横展開を進められる背景には、海外における「ビィ・フォアード」の知名度、ブランド力があると考えている。
当社の知名度は、日本よりもむしろ海外での方が高い。例えば、アフリカで車の購入を検討している人であれば、当社のサイトを見たことがない人の方が少ないのではないか。
2018年ごろのデータにはなるが、年間のウェブ検索ランキングで、「ビィ・フォアード」が上位に入っていた国もあった。
国によっては、「グーグル」「ユーチューブ」「フェイスブック」といったサイトに次いで、「ビィ・フォアード」が検索されるといったケースもある。
その知名度は、「ビィ・フォアードがやっているなら大丈夫」という信頼にもつながってくるはずだ。
単に中古車を販売するだけでなく、現地の人たちの日常に溶け込む、企業になっていきたいと考えている。
脱酸素の取り組みも
2月には、商船三井と協働する形で、脱炭素化推進の取り組みを開始した。
商船三井が25年1月に開始したサービスの、第1号顧客が当社となった。
当社では現在、タンザニア向けの年間約5万台の中古車輸送を商船三井に委託している。その配送の一部から、脱炭素化の対応をしていく予定だ。
経済的な成長だけでなく、環境問題への取り組みについても、業界をリードしていけたらと考えている。
4月には、海外輸送サービス「ポチロジ」の倉庫業務について、アドレス・サービスへの業務委託を開始した。
「ポチロジ」は荷物を送る際、内容物の確認しなければならない。海外に送れないものが入っていた場合は、廃棄したり送り返したり、柔軟な対応が必要となる。そういった融通を利かせられる点に魅力を感じた。
業務委託をした結果、より早く荷物の照合作業ができるようになった。「ポチロジ」のサービスの質も向上しているはずだ。
個人・法人問わず、海外に気軽に荷物を送れるサービスとして、今後も強化していきたい。
日本から海外に向けた中古自動車の販売だと、当社のシェアは約13%、まだまだ伸びる余地がある。海外から海外の販売は、まだまだこれからの領域だ。
そう考えると、当社の売り上げは、中古自動車の販売だけでも、まだまだ伸びる余地があると考えている。それに加えて、別事業もある。さらなる増収と上場を目指していきたい。
