リフォーム訪問販売のトップランナーであるMED Communications(メッドコミュニケーションズ、本社東京都)を傘下に持つメッドホールディングス(本社東京都、佐々木洋寧社長)では、積極的なM&A戦略と、最先端のテクノロジー活用で業績を伸ばしている。2027年12月期のグループ全体の売上高は300億円に達する見込みだという。佐々木社長に、好調な今期の業績見通しや、今後の成長戦略、人材育成AIの具体的な活用について、詳しく聞いた。
──2025年12月期のメッドホールディングスの今期の業績の着地見込みは。
2025年12月期の売上高はグループ全体で、前期比43%増の253億5000万円での着地になると見込んでいる。
MED Communicationsを含めた販売会社4社だけで見ると、売上高は200億円となる見込みだ。
売り上げの主力は引き続き圧倒的にリフォームだ。外壁や水回りを含めたリフォーム事業の売り上げだけで110億円を超えている。太陽光発電や蓄電池などの設備系の販売が70億円程度だ。
──物価高による影響は。
世間一般で言われるほどの影響は聞いていない。むしろ、お客さまからは「どうせやるなら」と、よりハイスペックなものを求められる傾向がある。必要な提案を、お客さまとの信頼関係のもとで行えているため、景況に左右されにくいと認識している。
プロメテックスをグループ化
──今期は太陽光・蓄電池販売に強みを持つプロメテックスをグループ化した。
今期は、プロメテックスグループを含めて合計8社をグループ化した。プロメテックス傘下の日本住宅総合開発は今期32億円の売り上げ見込みとなっている。新規の飛び込み営業を主軸としている。
プロメテックスとのシナジーは大きく二つある。一つは人材の相互供給だ。プロメテックス側が抱えていた、採用の悩みを、当社の強みである採用力で解決できる。
二つ目は地域と手法の補完だ。プロメテックスは北海道や日本海側など、当社がこれまで手薄だった積雪地帯に強く、新規開拓のノウハウも持っている。今後は、MEDの既存顧客に太陽光発電を提案したり、プロメテックスのOB顧客にリフォームを提案したりといった、本格的な相互送客を進めることにより、さらにシナジーを生んでいく予定だ。
来年もすでに、5社ほどM&Aの候補がある。トップ面談を進めている状況だ。
2027年に年商300億円へ
──今後の業績の目標は。
成長ペースを維持し、2027年12月期にはグループ全体で300億円を超える計画だ。
企業規模は大きくなるが、フットワークの軽さは維持できている。
この住宅に関わるビジネスモデルをさらに深掘りし、ブラッシュアップすることを最優先する。
ヘルスケア製品の販売も強化している。現在は、既存のお客さま向けの感謝祭などのイベントで、アンチエイジングで注目されているNMNのサプリメントなどを提案している。来年からはこのイベントの開催数を月2回に増やし、ウェブ販売も強化する。商材もOEMでわが社のブランドとして展開する予定だ。
「仕事が楽しい」組織文化
──M&Aの魅力にもなった、御社の人材採用・育成について知りたい。26年度も150人採用するとのことだが、育成の秘訣は。
育成の軸はメンター制度だ。最初の半年間は相性の良いメンターをつけて、新人の不安を取り除き、成長をサポートする。半年後には逆に、真逆の性格のメンターをつけることで、「こんな考え方もあるのか」という客観的な視野を持たせている。
離職率は1割を切っている。定着率はとても高い。本人の成長速度に合わせてサポートしていく。
若手で活躍するメンバーの中には、新卒2年目で年収1800万円、3年目で2500万円を上げる人もいる。
彼らが動く原動力は「稼ぎたい」というよりも、「仕事が楽しい」という気持ちだ。お客さまとの信頼関係を築くことに喜びを見出しているのが、わが社の営業スタッフの共通点だ。
教育・営業・安全管理にAI
──2025年のトレンドであった「AI」について、御社の活用状況を教えてほしい。
当社は水面下でAI活用を進めており、2026年はAI元年になると考えている。開発中のシステムは主に三つだ。
一つは新人教育だ。AIを相手に営業シーンのロールプレーイングを行うというものだ。AIが、身ぶり手ぶりや抑揚などの注意点をフィードバックする。人間が行う研修よりも客観的で効果的だ。
二つ目は営業提案の支援だ。過去のお客さまのデータをAIに学習させ、「このお客さまにはこういうアプローチが効果的」といったアンサーをAIが提示する。100%依存はしないが、非常に参考になる情報として活用する。
三つ目は安全管理だ。社用車のドライブレコーダーにAIを搭載し、運転中に危険だとみられる動きをリアルタイムでAIが検知する。ドライバーへの注意喚起と同時に、会社に情報を共有する仕組みを開発中だ。すべての営業や施工で、社用車を使用しており、業務中の事故も一定数発生している。AIの活用によって、事故件数を大幅に減らすことを目指している。
