「SNSチャット」は電話勧誘販売に近い
特に焦点となるのが、インターネット広告と勧誘の境界線の曖昧さとなるようだ。消費者庁からの現状の課題の指摘では、従来のマスマーケティングから、個人の属性を突いた「パーソナライズド・マーケティング」へと移行しており、SNSチャットによる個人への働きかけが、事実上の電話勧誘販売に近い「不意打ち性」を伴っているという実態だ。行動経済学の知見を悪用し、消費者の意思決定を不当に操る「ダークパターン」への規制も検討課題にのぼった。
デジタル以外の分野では、 水回り修理や屋根点検を入り口とし、高額な契約を迫るトラブル事例の多い「レスキュー商法・点検商法」が議題として挙がった。特に、「クーリング・オフを承知の上で開き直り、返金に応じない」悪質事業者の排除が急務と指摘された。
実態のない投資商材を若者に借金までさせて契約させ、後から「紹介料」で回収する詐欺的な手法として、「後出しマルチ・モノなしマルチ」の問題も提起された。
「法執行の強化」求める声相次ぐ
意見交換では、各委員から多角的な視点が示された。消費者団体側は、 「ネット広告はもはや無法地帯。デジタル取引に特化した新法の制定も視野に入れるべきだ」と主張し、高齢者や若者の脆弱性を保護する強力な規制を求める声も上がった。
経団連など、事業者側からは、「悪質業者の排除には賛成だが、過度な規制は健全な企業のイノベーションや利便性を阻害する」と、行き過ぎた規制の強化を牽制した。
「新たな法規制よりも、現行法にもとづく厳格な執行(エンフォースメント)と、AIなどを活用した監視体制の構築を優先すべき」との意見も目立った。
夏までに中間取りまとめ、秋以降の法改正視野か
検討会は、26年夏頃までに議論を整理し、中間取りまとめを行う予定だ。次回の会合は2月中旬に開催される予定。デジタル広告やSNSによる勧誘の実態に基づき、具体的な論点の深掘りが始まるとみられる。
