生成AIを積極的に活用し、商品画像や説明文、マーケティング戦略の構築、顧客対応など、多岐にわたり店舗の運営効率を高めていくという。
具体的には、商品の基本データから生成AIを活用し、詳しい説明文を作成できるようにする。AIが作成した説明文を店舗が確認し、必要があれば修正を加えることで、効率的に説明文を完成させることができる。
商品画像においては、背景を使用シーンに合わせて編集・提案することが可能だ。効果の高い背景を選択し、購買率を高めたり、ユーザー属性によって背景を変えていったりするようなこともできる見通しだ。
日常業務をサポートする「RMS AIアシスタント β版」を近々、リリースする予定だ。RMS(管理画面)にAI機能を搭載し、自動応答のチャットなどでサポートする。
顧客からの問い合わせ対応ツール「R‐Messe」では、AIが顧客対応の回答文章候補の作成、感情分析による問い合わせ内容の分類などを行えるようにする。
店舗分析サービス「R‐Karte」では、AIが店舗運営状況の分析・要約や、商品・店舗へのレビューの内容を分析できるようにする見通しだ。
AIが広告クリエーティブをレギュレーションに沿った形で自動生成・提案する機能も開発する構想があるという。
▲商品説明文や画像の作成にAIを活用
ECCもAIが支援
楽天の店舗担当社員であるECコンサルタント(ECC)の業務もAIがサポートする。2024年下半期には、AIによるコンサルティング用ツールを強化する方針だ。短時間で効果的なデータ分析と対策シナリオを作成できるようにする。
楽天が実施するマーケティングにおいてもAI活用を強化する。AIやデータを活用し、楽天会員へ精度の高いマーケティングを実現する。購入者のファクトデータを学習・分析することにより、確度の高い見込み客を抽出することが可能だという。
「AIでターゲティングしていくことで、マウスウォッシュの購買CVRが2倍になった事例がある」(三木谷社長)と話す。
AIやビッグデータにより、物流の効率性を高める独自システムも開発する計画だ。出荷数の予測や作業スタッフ数の最適化、在庫配置の最適化、輸送車両数の最適化、商品の梱包資材の適正化などを実現したい考えだ。
▲顧客対応や分析業務もAIが支援
AI学べる場も提供
三木谷社長は、AIを活用する際に、AIへの理解を深めることが必要だという。
「AIエンジニアになることは難しくても、AIを使いこなす、何ができるかが分かるなど、知識を付ける必要がある。AIについて学べる『Rakuten AI大学(仮)』を近日中に発表する予定だ」(同)と話す。