ハルメクの食品カテゴリーにおいて高い人気を誇るおせちの販売が好調だ。2026年正月用のおせちの販売数は、前年比6%増の5万3000台を超えた。物販ビジネスユニット食品事業部食品開発課課長の橋本幸恵氏は、「おせちの販売は計画通りに推移した」と振り返る。橋本課長に、おせち販売の振り返りと、好調の理由、気付き、今後の展望などを聞いた。
過去最高の販売数
──今年のおせち商戦を振り返ってほしい。
昨年度は5万台、今年度は5万3000台と、販売数は前年を超えることができた。特に当社のプライベートブランド(PB)のおせちに関しては、11月末時点で全商品がほぼ完売した。12月以降はナショナルブランド(NB)のおせちを販売し、PBとNB合わせて、おせちの販売は想定通りに推移した。
──販売が好調だった要因は?
ここ数年、ハルメク世代のお客さまにおいて、「個食化」「少人数化」が進んでいる。以前のように、家族全員で一つのお重を囲んで箸をつつくというスタイルから、自分専用の小さなお重をそれぞれが楽しむ、あるいは夫婦二人でちょうど良い分量をぜいたくに味わうというスタイルへ移行している印象を受ける。
実際に商品の販売実績を見ても、「1人前おせち」や、2人前のおせちである「銘々重(めいめいじゅう)」の売れ行きが順調だった。「銘々重」は1段目に二つの小さい重箱を重ねたもので、結果として新規顧客の獲得に大きく寄与することになった。
──集客方法はどうしたのか?
テレビCMなどは放送しなかったが、LINEやメルマガは活用した。さらに、50代からの新しい時間の使い方・人生を楽しむヒントを届けるメディア「HALMEK up」での露出を強化した。
──カタログでの訴求方法は?
カタログの力を最大化しつつ、デジタルとの融合を加速させた。今回、料理研究家のワタナベマキさんにカタログ内でコメントをいただいたり、おせちの新しい楽しみ方を提案したりしてもらった。これまでのメイン層より少し若い世代(50代)にも響くよう、ビジュアルや見せ方を工夫した。
おせちの販売は8月から開始した。前年におせちを購入した人にはカタログ送付時に20ページに渡るA4チラシを同梱した。10月からは、まだ今年分のおせちを購入していない人に、A4サイズで20ページ立てのカタログを同梱したりした。
今回、休眠顧客へのアプローチにも取り組んだ。過去にハルメクで買い物をしたことはあるが、数年間、おせちを購入していない人や、最近購入が途絶えていた人に対して、データに基づいて集中的にカタログやダイレクトメールを送付した。結果として、この層からの戻りも悪くなく、販売数の増加につながった。おせちはおおよそ半数以上のお客さまが10月末までに購入する形になっている。
──今年は4万円の高価格帯おせち「ダイヤモンドおせち・煌(きらら)」も販売した。手応えはどうだったか?
「ダイヤモンドおせち・煌」に関しては、3人前で4万8000円とハルメクの中でもハイエンドな位置付けだ。こちらは想定していた数字に届かず、少し伸び悩んだ。
──要因はどう考えているか?
結論から言えば、少し中途半端だったと思っている。昨今の市場環境を見ると、おせちへの投資は極端な二極化が進んでいる。「普段は質素でも、お正月だけは最高級のものを」というニーズも一定数存在する。「ダイヤモンドおせち・煌」は、高級感はありつつも、どこか標準的なおせちの延長線上に見えてしまったのかもしれない。
例えば、以前「伊勢海老が入っていない」という理由でリニューアルした経緯もあった。お客さまが求める「高級感の象徴」と、当社の提供価値にわずかなズレがあった可能性がある。
──今後のおせちに関する展望は?
現在、すでに来年度のラインアップを固めている最中だが、キーワードは「お正月をトータルで演出する」こと。おせち単品の販売だけでなく、お正月に必要な「お寿司」や「お肉」、あるいは「お正月のしつらえ」までをセットで提案し、お客さまがハルメク一つで最高のお正月を準備できるようにしたいと考えている。
