介護事業のSOYOKAZE(本社東京都、中川清彦社長)は、展開する冷凍宅配弁当「食のそよ風」のリピート購入率が向上している。2025年2月には95%程度と発表していたが、2025年4月~12月の注文実績から、2回以上注文した顧客の割合を算出した数値が97.6%になったとしている。6回目の購入でも数値はほとんど変わらないという。継続利用につながる顧客とのコミュニケーションついて、齋藤政人氏に聞いた。
──顧客とのコミュニケーションはどのようにしているか?初回購入時には手書きのメッセージを郵送している。その後、レビューや栄養価訴求など繰り返し送り、注意を向けようと試みる。メルマガを登録しない人に対しては、費用は割高になるがSMSを送っている。
事業フェーズに関わらず、これからも既存顧客との結びつきを強めていく。絶対的に必要なことと捉えている。
顧客とのタッチポイントは商品が届く時くらいで、他はあまりない。メルマガの発信などは一方通行で、流れてしまってもおかしくない。こちらからは働きかけできないと割り切っているところもある。それでも愚直にタッチポイントを作ろうと取り組んでいる。見てくれるか分からないが、きっと喜んでくれるかもしれないと思いながら送っている。
通販は便利で合理的なサービスではあるが、顔が見えない分、切り捨てやすい。メッセージにしても、癖のない文体が本当に正しいのだろうか。きれいには見えるが、その人らしさが表れる方が良いと思っている。どういう人が事業を手掛けているかを伝えることが大切だと考えている。こういった試みは、ぬくもりや安心感になるのではないかと思っている。
愚直にアプローチを模索し続けて今がある。次はこういう展開という引き出しがあるわけではない。万策つきたというわけではないが、模索を続けている。今はなにが当たっているかは分からない。ただ、当社のサービスを必要と感じてくれる人はまだいると思っている。その人に届けられるようにしていきたい。
気持ちの面でも大事になる食事だからこそ、こういったサービスが存在していると思う。利用することで、安心する、満足するなど生活を豊かにする一助になることにサービスの価値がある。どうやって利用し続けてもらうかを考えていく。
──「必要な人」とはどういう人か?食品宅配事業は、生活の中の一助、ライフスタイルの中に入り込むことだと思う。スーパーに買い出しに行って、旬の野菜が並んでいるのを見て今日のメニューを考える。自分で買い物ができて調理できる人は、それをライフスタイルとして確立していて良い。そこに当社の冷凍総菜を勧めたところで、必要ないものとされるだけ。忙しくて買い物に行けない人、足が不自由で買い物に行けない人、いつも調理してくれていたパートナーに先立たれて自炊ができない人、いろんなライフスタイル、顧客層があると思う。冷凍総菜が家に届くことが必要なのだと感じて、「食のそよ風」が味も量もちょうど良いと感じる人が続けてくれたら良い。
必要と感じてくれるだろう人たちに向けた広告における、キラーワードは見つかっていないが、「必要とする人」が広がっているように思う。
介護事業をバックボーンにはしているが、サービス開始時点でシニアをターゲットにしていたわけではなく、それよりも下の年齢層の獲得を目指していた。他社が食事宅配のマーケットを拡大させて、シニア向けサービスとして定着してきたところで、コロナ禍を契機に、20~30代などの若年層にターゲットを広げることに成功した。
コロナ禍以前に近い状態に戻ってきた現在、サービスの選択肢が増えた中で、本当にサービスが必要な人に届けるということが大切に思う。
──定期引き上げはどのようにしているのか?定期購入への引き上げアクションは、顧客の利用方法や利便性を紹介している。当社側から「こういう人に」と設定するのは難しい。顧客側に浸透するようには感じておらず、どういう生活をしている人が評価してくれているか、という顧客目線のアプローチが有効だと思っている。
昨年あたりから、既存顧客のリテンションを上げることに注力してきた。既存客に顧客の声を届ける施策が、特に効果があったと感じている。夕食時に利用する顧客が多いが、昼食に利用している人も10~15%いる。利用方法に幅があることを、顧客の声を利用してメルマガやSMSで発信した。こういった施策によって解約率が下がった。
──顧客がメルマガを開く理由は?メルマガの開封率は20~30%。新メニューの情報も掲載していて、情報取得の意欲につながっていると思う。
メニューは常時30種類以上用意しており、その中から配達している。3カ月に一度メニューを入れ替えて、お客さまが考えずに毎日さまざまな味を、飽きずに楽しめるように設計している。