食品宅配のSL Creations(エスエル・クリエーションズ、本社東京都、佐藤健社長)は、グループ5カ年計画の中で既存の販売組織による食品宅配事業の伸長やオフィス向け事業を軸に、中期的な成長戦略のもと、売り上げ拡大を目指すと発表した。業績が好調な常備型社食サービス「Office Premium Frozen(オフィス・プレミアム・フローズン)」(以下OPF)をはじめ、高級ライン「Z’sMENU(ジーズメニュー)」の販路も拡大する。佐藤健社長に2026年の事業戦略について話を聞いた。
──2025年度の業績については。
2025年度のグループ売上高は販売会社18社中15社で前年を上回り、グループ売上高は前期比1.7%増と2期連続で前期を上回ることができた。2025年は5~7月の定期購入の「ミート」の販売がけん引、OPFも計画を80%上回った。2025年の試食会を再開してもらいたいと方針と掲げたこともあり、新規顧客数は増えている。
商品では、常温品にも力を注いだ。冷凍食品のブームもあり、冷蔵庫の容量を加味して、災害時にも活用できる常温品の開発に力を入れている。
OPF向けの商品開発にも力を入れており、好評だった商品は一般のお客さま向けの食品宅配でも販売している。
今年に入り1月度はグループ総売上高で前年同月比10%増と、OPF以外でも1%伸ばしており堅調だ。
──試食会の開催を強化する。 2026年は、人対人のコミュニケーション、注文を聞いて届けるという基本に立ち返るという思いもあり、既存組織の活性化を主眼に、無料試食会「シュガーパーティー」の開催回数を増やす。
新たに試みとして有料の試食会「参加費制パーティーと料理教室」を5月から順次始める。個人で有料の料理教室を開催している人がたくさんいて、当社でも以前から検討していた。
仙台の実店舗「TASTING TABLE PREMIUM FROZEN(テイスティング・テーブル・プレミアム・フローズン)」において、3年前から有料の料理教室を開催し、手応えを感じていたこともあり本格的に実施することを決めた。
まずは参加費を500円程度に設定してパン生地を使った「パン教室」から開始し、年末のクリスマスシーズンには1人1羽の「丸鶏」教室を開催し、自宅で楽しめるようにする。
夕方から夜の時間帯や休日に無料試食会を開催することも増えてきた。夜の時間帯に開催することで参加しやすくなるほか、注文を取ってから帰ることができるため生産性が向上したケースもあるようだ。
──物価高の影響については。 昨今の物価高の影響で、昨年も値上げをせざるを得ない状況だった。当社はもともと、高付加価値の商品を販売していることもあり、できるだけ値上げしないような努力をしたい。
──商品戦略は。 高級ライン「Z’sMENU(ジーズメニュー)」は、横ばいで推移しているが、コロナ禍を境に高級冷凍食品市場が拡大しており、店頭への卸売りも含めて、今後も商品開発を続けていく。既存顧客向けには、肉を中心にサブスクを提供しているが、10月をめどに魚料理などのジャンルを広げていく。
冷凍弁当シリーズの「Wise days(ワイズ・デイズ)」は3品目で展開しており評判が良い。若年層を対象に、食品スーパーや百貨店への展開に力を注いでいく。
──販売員の確保はどうするか。 既存の販売員が「OPF」を担うようになったことで、他の仕事との収入に遜色がなくなってきた。そのため、新規で販売員を希望する人も増えてきた。さらに、離職率も低下する傾向にあり徐々にではあるが改善してきている。
既存販売員約1万人の中で、男性の販売員「SLパートナー」が約107人在籍している。その多くはOPFの配送を担っている。
──企業向けの事業が好調だ。
2025年度に全国47都道府県での利用を達成した。2026年度は新規2000契約を計画している。
販売員が不在の販売エリアに対し、全国に宅配便で発送する「ダイレクト便」の対応を強化するため、本社直轄のOPF専門部隊を東日本、中日本、西日本、九州の4カ所に開設し、社員の新規採用を強化している。4月には新たにOPFのサポートセンターを新設し、支店でのOPFのサポート業務負担を軽減する。
──食品宅配業界の見通しは。 より時短で、調理時間を短くしたいというニーズは高まっていくだろう。
品質を落とさずに、高付加価値の商品を理解していただけるような努力をしていきたい。