Greenspoon(グリーンスプーン、本社東京都、黒崎廉社長)は2025年12月、冷凍弁当シリーズ「DELI BENTO(デリベントウ)」の販売を開始した。従来までのスープ、サラダの販売からメインディッシュとなる冷凍弁当の販売だ。先行企業は多いが、黒崎社長は「情緒的価値を訴求して差別化を図っていきたい」と話す。黒崎社長に、冷凍弁当販売に参入した経緯や、差別化策、今後の展望などを聞いた。
──なぜ今、冷凍弁当を販売することにしたのか。
ひと言で言えば「お客さまの日常に、より深く寄り添うため」だ。現在、冷凍宅配食の市場は拡大している。コロナ禍をきっかけに家庭での食事が増え、健康に寄与する食事を取りたいというニーズが高まったと思っている。コロナ禍が明けてもその習慣は残っており、市場は拡大し続けているとみている。
「DELI BENTO」のコンセプトは「全部が主役で、全部がおいしい」こと。冷凍弁当市場への参入にあたりお客さまの声を聞くと、「副菜への課題」があった。「メインのハンバーグはおいしいが、副菜がちょっと」という声があり、この課題を解決したかった。
そこで「DELI BENTO」では、「メイン」「サイド」「サラダ」の3セクションの構造を非常に意識した。「メイン」はハンバーグやチキンなど、ゴロゴロ食材を使ったぜいたくな一品。「サイド」は野菜の水分で味が落ちないよう、食感を楽しめる創作サイドディッシュ。「サラダ」はこれまで野菜に向き合ってきたGREEN SPOONらしい、厳選された温野菜サラダであることを意識している。
これまでは女性のお客さまが8~9割を占めていたが、この弁当を通じて、これまで手に取っていただけなかった男性や、過去に他社の冷凍弁当で満足できなかった人にも利用していただきたいと思っている。
──冷凍宅配弁当市場では、すでに先行企業がシェアを握っている。どのように差別化を図っていくのか。
価格や機能性(低糖質、高タンパクなど)だけで勝負するつもりはない。先行企業は、それぞれの強みですばらしい市場を作っている。その中で当社が目指すのは、例えるならアイスクリーム市場における「ハーゲンダッツ」のような立ち位置だ。
スーパーマーケットやコンビニエンスストアでアイスクリームを選ぶとき、「アイスの実」ではなく「ハーゲンダッツ」を手に取る瞬間があると思う。そこには「今日は頑張ったから」「自分にご褒美をあげたい」という情緒的な価値があると思っている。
当社の「DELI BENTO」も、単なる栄養補給の手段ではなく、食べることで「自分を好きになれる」というハレの要素を持たせたい。機能性だけでなく、デザインや食感、食べた後の満足度という「情緒的な差」で選ばれるブランドを目指していきたい。
──2024年6月に江崎グリコのグループに参加した。グループ入りはブランドにどのような影響を与えているのか。
非常にポジティブな変化が起きている。江崎グリコには100年以上にわたる「健康とおいしさ」の歴史があり、研究開発や物流のインフラは圧倒的だ。当社のようなスタートアップのスピード感やクリエーティビティーに、江崎グリコの持つ「食のサイエンス」が加わることで、これまで以上に高品質で安心、かつ驚きのある商品が作れるようになった。
直近では、江崎グリコのアイスブランドとコラボしたデザートの開発や、栄養バランスをさらに科学的に裏付ける取り組みも始まっている。今回の「DELI BENTO」にも、江崎グリコの品質管理の知見を活用している。
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