千葉・野田市にピアノ専門店を構えるピアノプラザ(本社千葉県、菊地孝則社長)は、ECでもピアノを主軸に楽器販売を行っている。楽天市場の「ショップ・オブ・ザ・イヤー」で、2023年から3年連続で受賞するなど、近年ECが大きく伸びている。ピアノに特化した楽器ECがなぜ伸びているのか、取締役統括本部長の萩原亮氏に話を聞いた。
菊地:当社の最大の特徴は「ピアノ専門」であるということだ。実店舗では、アコースティック、電子含め、ピアノのみを販売している。数万円のピアノから、3500万円のピアノまでを置いている。
ECでは、電子ドラムや、小型の楽器も取り扱っているが、主力は電子ピアノだ。電子ピアノだけで数千台の在庫がある。大量に仕入れて安価に販売できるのは、ピアノに特化しているからこそだと思う。
野田という好立地
菊地:当社は野田に本社兼実店舗があり、周辺に3カ所の物流倉庫を持っている。在庫をメインに置いている倉庫もあるし、中古品の塗装や調律などを行える工場機能を備えた倉庫もある。
当社で取り扱っているピアノや電子ドラムといった商品は、一つ一つのサイズが大きい。在庫するには相応のスペースが必要となる。だが、上に積み重ねることも難しいので、「ピアノ用の倉庫レイアウト」が必要になってくる。

▲物流倉庫の様子
多様な楽器を取りそろえようとすると、ピアノを大量に保有しにくくなる。これもピアノに特化している理由だ。
ECでは数万~数十万の電子ピアノが人気だが、数百万、それ以上の価格となると、実店舗に見に来る人がほとんどだ。
野田という立地だと、都内からでも車で来られる距離だ。物流拠点を設置しやすくロケーションでもあり、都内からも比較的来やすい。加えて、物流拠点が多数存在している千葉・流山が近いということも、EC事業の展開においては追い風になっている。
創業者がピアノプラザを作った野田という場所に”地の利”を感じている。
私が入社したころは、当社にECの部署がなく、社内的に見ると、ECの売り上げはごく一部に過ぎなかった。大型で単価が高いピアノという商材は、ECに不向きという先入観もあったのだろう。コロナ禍で、EC推進というアクセルを踏んで、ようやくEC事業を軌道にのせることができた。
当社では毎年春に、ピアノの展示販売イベントを開催している。多様なピアノを展示するのはもちろんのこと、配送や営業、調律なども自社で行っている。多様な人材がいて、幅広い対応ができる点は、当社の強みだ。
ECとリアルを織り交ぜつつ展開し、ピアノを身近な存在にしていけたらと考えている。
