決算説明会で、取締役兼代表執行役会長の鈴木雅哉氏は、今後の施策やインフレによる影響、利益面、経営体制の変更などを話した。
前期の増収増益の要因について、専務執行役経営管理部門長の甲田哲也氏は、ネット通販事業の注文単価や注文回数の増加、大企業連携による購買管理システム事業の顧客増などを挙げた。購買管理システムの売上高は同34.6%増の673億2700万円だった。
海外を含む連結売上高は同12.5%増の2542億8600万円で、営業利益は同19.4%増の313億900万円となった。
四つの戦略を掲げる
今期の事業計画や戦略について、代表執行役社長の田村咲耶氏は「四つの戦略が重要」と話した。売上規模を「Micro」「Small」「Mid」「Large」の四つに分け、それぞれの特徴や状況、戦略を挙げた。
また、「期待LTV」「高度なダイレクトマーケティング」「パーソナライズ化」など主要となる戦略方針を掲げた。
四つの戦略の方向性について、「どこかに注力していくよりも、並行して進める。テストを繰り返し、その効果を分析して成功ポイントを探っていく」と説明した。
一方、収益性強化やマーケティング効果の最適化を目的に、事業者向けECサイト「monotaro.com」から、大企業連携への移行を一部停止していく。価格調整や為替変動などへの対応を考慮するためとした。
2024年12月期単体業績は、売上高が前期比12.4%増の2735億4900万円、営業利益が同13.1%増の369億5700万円を計画している。
チラシの成果も
チラシや冊子の施策に関する本紙の質問に対し、同社は「利用頻度が低い顧客に対してチラシを送付することで、再度購買に結びついたという結果が出ている」と回答した。また、チラシや冊子の制作に関しては、「当社の特徴は、ウェブのパーソナライズドレコメンドをオフラインにも取り込んで対応している点にある。紙面上も顧客ごとに違った品ぞろえが並んでいる。チラシの発行頻度を高めて、業種や属性ごとに異なる企画特集も実施している」と答えた。