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2026.03.31

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【健康食品通販 トップインタビュー】サントリーウエルネス ヘルスケア部 菊池健一部長「『歩く体験』で挑む世代超えたファン作り」

菊池健一氏


サプリメント通販最大手のサントリーウエルネス(本社東京都、栗原勝範社長)は今、デジタルとリアルの融合による新たな顧客コミュニケーションに力を注ぐ。象徴的なのは、全国で開催される「ノルディック・ウォーク」のイベントだ。単なるシニア向けの健康増進施策にとどまらず、団塊ジュニア層も巻き込み、製品の枠を超えた体験の提供でブランドの絆を深めている。今年1月にヘルスケア部部長に就任した菊池健一氏に、同社が描くCRM戦略について聞いた。





1000人が集う「歩く体験」


──「ノルディック・ウォーク」のイベントが反響を呼んでいると聞いた。

「ロコモア」が2023年から本格的にスタートし、これまでに延べ2万人以上のお客さまに体験いただいた。1回の開催で、首都圏では1000人以上、地方でも数百人規模が集まるイベントに成長した。

専用のポールを使って歩く「ノルディック・ウォーク」は、通常のウォーキングよりも全身運動になり、健康効果が高い。

私たちはこれを単なるサプリの販促ではなく、お客さまが外に出て、気持ちよく歩く喜びを実感する場と位置づけている。

──参加者は中心顧客層である高齢者が多いのか?

もちろんシニアの人も多いが、実は非常に”若く見える”人が多いのが特徴だ。

最近では母親と一緒に娘が参加するといったケースも増えており、決してシニアだけに閉じた活動にはなっていない。

外部の人が「杖をついて歩くシニアの集まり」をイメージして見学に来られると、その活気と若々しさに驚くほどだ。

シニアだけでなくその手前の世代の方々にとっても、脚の健康や将来への備えは決して他人事ではない。こうしたリアルな体験の場を通じて、世代を問わず、自分の足で歩き続け、人生を楽しむという価値観に共鳴していただいていると感じている。

──リアルな場で直接顧客と触れ合うことで、どのような気づきがあったか?

私も現場で雨の中、お客さまと一緒に歩いたことがあるが、ある方から「サントリーはサプリを届けてくれるだけでなく、こういう『機会』までくれるのが本当にありがたい」と言われ、胸が熱くなった。

サプリメントをモノとして売るだけではなく、生活習慣を含めたウェルネスな暮らしをサポートする。その姿勢が、お客さまからの信頼につながっているのだと確信した。


「人生を楽しむ脳づくり」


──シニア層に加えて団塊ジュニア層へのアプローチとして、他に意識していることはあるか?

メッセージのポジティブ化だ。例えば「オメガエイドPLUS」のような認知機能サポートのサプリメントは、どうしても自分にはまだ先の話として捉えられがちだ。

実際には、新しい趣味に没頭したり、仕事への意欲を維持したりすることは、あらゆる世代にとって喜びのはずだ。

そこで私たちは「人生を楽しむ脳づくり」や「脳に投資」という言葉を使い、今の充実が将来の健康につながるという前向きな提案を行っている。

現在、脚本家の三谷幸喜さんとタレントの平野レミさんのCMで明るい掛け合いを見せているが、幅広い層に「自分ごと」として共感いただくための工夫だ。


同梱物とデジタルで「伴走」


──定期顧客へのCRMについては、どのような哲学があるのか?

私たちのゴールは、サプリメントを買っていただくことではなく、お客さまがウェルネスな状態を実現することだ。そのため、商品と一緒にお届けする同梱物では、あえて商品の宣伝を控えることもある。

脚のサプリの定期購入を半年ほど継続したお客さまにお送りする冊子では、「朝の散歩で季節を見つけよう」「お気に入りのパン屋さんまで歩こう」といった、日常の中での小さなチャレンジを提案している。これに加え、アプリ「Comado(コマド)」では、オンラインフィットネスや研究員による解説動画を配信しており、スマホを使いこなす団塊ジュニア層からシニアまで高い支持をいただいている。

アナログの力も重視している。

納品書には担当者のあいさつ状を添えているが、そのメッセージのファンだというお客さまが非常に多く、過去のあいさつ状をまとめて読みたいというお問い合わせをいただくほどだ。

こうした血の通ったやり取りこそが、サントリーウエルネスの強みだ。

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