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2026.04.07

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【健康食品通販 トップインタビュー】ファンケル 村岡健吾氏上席執行役員「『定期だけで伸ばす』から脱却を」

村岡健吾氏


ファンケルの健康食品の通販事業の業績は、堅調に推移している。新製品の投入や、外部ECモールにおける売り上げの伸長が要因だという。「定期購入だけで伸ばす」ビジネスモデルからの脱却を進めており、ECと店舗の壁を壊す、「ワンカスタマー」のオムニチャネル戦略も加速させている。「おまとめ配送」による大幅なコストカットや、2025年の組織再編などについて、上席執行役員マーケティング推進統括オフィス オムニチャネル本部本部長の村岡健吾氏に話を聞いた。



 

──2025年12月期の健康食品の通販事業の業績は?

堅調に推移しており、増収で着地した。要因は大きく二つある。一つは、新商品の投入効果だ。「プレミアムカロリミット」の発売や、「ウェルエイジプレミアム」が寄与した。もう一つは外部ECモールの伸長がある。外部ECモールにおいても、定期購入が増えてきており、特にアマゾンが好調で、大きく伸びている。

──2025年に注力したことは?
 
健康食品の売り上げを定期購入だけで伸ばすモデルからの脱却だ。定期購入だけで伸ばすモデルは明らかに限界を迎えている。定期購入という強いつながりをベースに、お客さまとの関係をより良く広げるため、都度購入につなげるという点に力を入れている。

具体的には、健康食品・化粧品による”内外ケア”の提案の強化を図っている。化粧品を購入するユーザーに、内側からのケアとしてサプリメントを提案できるのは当社ならではの強みだ。定着性の高い定期ユーザーにもアプローチし、都度購入を促す設計にした。定期ユーザーからは、定期注文と同じくらいの件数の都度注文がある。

──LTV向上に向け、どのような指標を重視しているのか?

施策への反応率など、購入の有無の出口の数字だけを追っても、お客さまはついてこない。メンバーズサービスのアクションスコアは、つながりの基本指標を体現した。スコアだけでなく、商品やサービスを見て・触れていただく、サイトへのトラフィック、回遊性などのCX起点で、顧客とのつながりの指標を測っている。


数億円のコスト抑制


──物流コストの上昇に対し、どのような対策を講じているか?

配送コストは上昇しているが、当社の売り上げに対する配送費比率は、5年前と比べ低下している。これを実現したのが「おまとめ配送」だ。都度購入の商品を定期便に同梱するサービスで、利用件数はこの5年で約5倍に急増した。送料の節約だけでなく、エコや物流問題といった社会課題への貢献につながることを発信し、協力を仰いでいる。「おまとめ配送」を選択すると、30ポイント付与されるというメリットもある。実際、年間数億円単位のコスト抑制にもつながっている。これを利用する顧客はエンゲージメントも高い。

──2025年には組織再編を行い、「オムニチャネル本部」が新設されたが。

従来の通販・店舗というチャネルごとの向き合い方を改め、”ワンカスタマー(一人の顧客)”という考えに基づき、コミュニケーション設計を作り変えている。

今後のオムニチャネル化のプロセスにおいて、ステップ1では基盤整備として、業務の共通化の徹底を図る。ステップ2で、顧客一人一人に合わせた企画・提案を行っていく予定だ。


直販メーカーの生存戦略


──今後の展望について教えてほしい。

長期経営構想「ファンケル・ビジョン2035」に基づき、ブランド再生とオムニチャネルモデルの構築を推進する。

ECのシングルチャネルだけで戦うやり方は非常に厳しくなってきている。健康食品に限らずだが、同質化した競争戦略、外部モールの伸長などが背景にある。

当社では、オムニチャネル全体で顧客育成モデルをマネージしていく。顧客とのCX接点が多いほど、ロイヤルティーは上がる。店舗から入った顧客が通販につながると、非常にLTVが高まる傾向がある。店舗でのカウンセリングや、「FANCL SKIN PATCH(ファンケル スキンパッチ)」のポップアップイベントを起点に、通販や外部モールへと顧客を誘導し、タッチポイントを増やすことが、直販メーカーの生き残り戦略となると考えている。26年は、オムニチャネルという視点から指標やアプローチを再設計していく。

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