2024年の紅麹問題で健康食品業界に逆風が吹き荒れた中、キユーピーの子会社のトウ・キユーピー(本社東京都)は、2025年11月期の売上高が前期比2桁増の68億円を達成した。チャネル別に異なる商品を強化する戦略が奏功し、スキンケア用の健康食品や化粧品の販売が大きく伸長したという。媒体ごとの緻密な棲み分け戦略や、AI時代を見据えた展望について、谷川和正社長に聞いた。
「エイジングケア」の爆発力
──2025年11月期の業績が好調だったと聞いた。
2024年は紅麹問題の影響もあり、業界全体で買い控えが見られた。
当社も獲得効率の悪化に苦しんだが、24年11月期の売り上げ自体は、前年並みを維持できた。2024年9月以降に強化した広告投資が、25年中に実を結び、25年11月期の売上高は、前期比2桁成長となる約68億円を記録した。
──具体的にどのカテゴリーがけん引したのか。
スキンケア化粧品など、いわゆる「エイジングケア」カテゴリーが非常に強かった。
外出機会が増えたことにより、サプリメントの「ヒアロモイスチャー240」やオールインワンジェルの「ヒアロワン」が大きく伸びた。
2024年の停滞が嘘のように、2025年は一気に需要が跳ね上がった印象だ。
アマゾンと自社通販の棲み分け
──販売チャネルによってアプローチを変えているのか。
商材の特性に合わせて、販売チャネルの使い分けを徹底している。
新聞やテレビなどのオフライン広告、自社ECサイトは、主に、ミドルからシニア層をターゲットとしたスキンケア商材を中心に、広告投資を強化した。
ここではコールセンターとの連携を強化し、一人一人のお客さまに寄り添うCRMを重視した。
アマゾンをはじめとしたECモールでは、「よいときOne」や「リラーレ」といった飲酒ケア・睡眠ケアのサプリ、「ヒアロモイスチャー240」を中心に広告運用を強化した。
結果として、若年層を含む幅広い層との接点が生まれている。
AI時代の購買体験とPRの強化
──生成AIを活用した「エージェンティックコマース」の足音が聞こえてきている。対応していくのか。
「エージェンティックコマース」については正直なところ、まだ具体的なシステム構築の段階ではない。ただ、提携している広告代理店とは、「検索画面から直接購買へ繋がる動線」などの議論を進めている。
AIに選ばれるためのデータボリュームの重要性も認識しており、中長期的には避けて通れない領域だと考えている。
──2026年11月期の重点施策について聞かせてほしい。
差し当たり、好調なスキンケアの2軸である「ヒアロモイスチャー240」「ヒアロワン」と、「免疫の維持」を表示する機能性表示食品の「ディアレプラス」のさらなる飛躍が柱となる。
特に、花粉シーズンに向けた「ディアレプラス」の認知拡大や、SNSを通じたPRを強化する。
顧客分析をより深め、オフラインとオンラインの両輪で、一人一人のお客さまに多角的な接点を持てる施策を構築していく。
