VerbexはSTT(Speech to Text)、TTS(Text to Speech)、LLM(Large Language Model)、Speech Engineなど音声対話に必要な機能やデータのトレーニングメソッドを独自研究で開発している。極めて自然で低遅延な対話を実現する音声AIプラットフォームを提供している。
テレビ東京ダイレクトが同サービスを導入したのは、テレビ通販特有の受電の波と人手不足を解消したい狙いがある。
「通販番組の放送直後は、注文が殺到し、これまでは電話がつながらなかったり、自動応答(IVR)による折り返し対応になったりして、顧客を待たせてしまう不満や買い控えが常に発生している。一方で、放送直後のピークに合わせると膨大なオペレーターが必要となり、また、深夜の放送などに対応する人員の確保は難しく、人件費も大きな課題となっている。Verbex社のAIが、”人と遜色ないほど自然な会話ができる”音声AIで、これを実用化することが、長期的な課題解決につながると考えた」(テレ東グルメ事業部長・西潟賢二氏)と話す。
現在、実証実験中だが、着実に成果も出ている。
「細かい数字は差し控えるが、概ね想定通りに推移している。顧客の中には、AIだと気付かずに注文を終えた人がいたほど、自然な対話が可能。ただし相槌でAIが話を遮ってしまうなど、まだまだ課題もあり、その都度、改善を進めている」(同)と説明する。
テレビ東京ダイレクトの顧客層は年配者が多い。
顧客からの抵抗については、「もちろん全く抵抗がないわけではない。実際、社内でも賛否両論あった。ただし待たされるストレスやIVR(番号入力)の操作も大きなストレスであり、AIが自然な会話で、すぐに応答してくれる利便性が、いずれ抵抗を上回ると考えている。現在は冒頭で『自動音声で承ります』と断りを入れたり、不明点は後で担当から電話する旨を伝えるなど、安心感を与える工夫をしている」(同)と言う。
今後は「虎ノ門市場」だけでなく、雑貨などの主力商品や、他の売れ筋商品へもAI対応を広げる予定だ。いずれは、問い合わせ対応へと応用し、さらなるコスト削減と顧客体験の向上を目指していきたいという。
「どの説明で顧客がつまづいたか、どんな質問が多いかを分析し、顧客が他に何を求めているかという潜在ニーズを抽出してデータドリブンな商品開発にもつなげたい」(同)と展望を話す。
