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2026.05.22

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総合通販

【セシール リブランディングの詳細に迫る】取締役兼執行役員 本田佳代氏、「自社を見つめ直し、”決意”を込めた」

本田佳代氏


老舗通販企業のセシールはこのほど、新ブランドスローガン「心地いいに、ときめく。」を制定し、リブランディングを実施した。今年3月からは、インフォマーシャルの放送も開始し、さらなる商品と会社の認知度向上に注力している。取締役兼執行役員の本田佳代氏に、リブランディングの経緯や、内容、今後の展望などについて聞いた。



見えてきた三つの課題


──新ブランドスローガンを制定し、リブランディングを実施したと思う。経緯について伺いたい。

私たちは昨年、セシールが抱えている課題について、改めて冷静に分析した。そこで突きつけられたのは、セシールというブランドが”迷子”になっているという事実だった。かつて、テレビCMのサウンドロゴでお茶の間に浸透していたセシールだが、市場が成熟し、EC台頭などの構造変化が起きる中で、三つの大きな課題が浮き彫りになった。

一つは”ブランドアイデンティティの不透明さ”。二つ目がそれに伴う”ブランド価値の毀損”、そして三つ目が”マーケティングの不十分さ”だ。 定量的、定性的にお客さまの声を聞く中で、セシールが何者であるかが曖昧になっていたということが明らかになった。

膨大なお客さまの声を分析すると、セシールに対していただいている評価は”着心地の良さ””使い心地の良さ””サービスの良さ””安心・信頼・高品質”という、極めて実直な心地良さだった。これをブランドの核(コア)に据えることに決定した。

しかし、機能的な心地良さだけでは、現代の消費者の心は動かない。安くて品質が良いものは世の中に溢れている。私たちが提供すべきは、その心地良さの先にある感情、つまり、着用することが心地良く、その心地良さから感じるときめきや新しい服に袖を通した瞬間に背筋が伸びるような、日常が少しだけ輝くようなときめきだ。

心地良いという安心の土台があるからこそ、人はときめくことができる。日本語として少し独特なリズムを持つフレーズだが、「情緒的価値と機能的価値を高度に融合させる」というセシールの決意をこの一文に凝縮した。

──視覚的な変化として、ロゴをかつてのマークとロゴに戻した点も印象的だ。

これも原点回帰の象徴だ。一方で、コーポレートカラーはピンクのガーベラをイメージしたピンクに刷新した。ガーベラの花言葉は”前進””感謝””思いやり”。お客さまへの感謝を胸に、一歩前へ進み続ける姿勢を示している。花言葉としても、セシールの現状とこれからに適していると考えている。名刺や封筒、社員のIDストラップに至るまで、全社的にこの色を導入している。

──リブランディングを外部企業の協力を得て実施する企業もあるが、その点はどうか。

今回のリブランディングに関して、コンサルティング会社は一切入れていない。これは私たちが最もこだわった点だ。長年、セシールを支えてきたベテラン社員から、フラットな視点を持つ若手社員までが参加し、徹底的に議論を重ねた。自分たちで過去の資料を掘り起こし、お客さまにインタビューを行い、アンケートを分析した。自分たちが培ってきた歴史と、お客さまがセシールに何を期待しているのか。その原点を見つめ直す作業を1年近くかけて行った。

──今年3月からはインフォマーシャルの放送も開始した。インフォマーシャルを選択した理由は?

インフォマーシャルを選んだ理由としては、改めてリブランディングを進めていく中で、セシールが持っている財産とは何かを見直したことにある。そのときに、やはりテレビCMで流れていた「セシール」という名前や、心地良さ、高品質といったイメージは、本当に多くの方が知ってくださっていたことが分かった。50代、60代、70代の方はもちろんだが、「昔テレビで見たことがある」「お母さんが買っていた」「あのフレーズが耳に残っている」という声が非常に多かった。

最近でも、人気の情報番組で取り上げていただいたり、深夜の人気ラジオ番組で紹介してくださったりした。改めて”セシールのサウンドロゴ(音源)は、ものすごい資産なんだ”という話を社内で確認した。

そこで、やはり、あのセシールというフレーズを使いながら、お客さまに改めて商品の心地良さを見せようと考えた。セシールが今、何に、どこに力を入れてモノづくりをしているかを知っていただきながら、商品の販売につなげていこうと考えた。(つづく)

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