2023年は1ドル当たりの年間平均為替レートが前年に比べ約9円上がった。その影響もあり、日本円ベースの売上高は、前期比13.9%の増収となった。日本事業では、2016年から2桁増収が続いていたが、2022年12月期は1桁の増収となっていた。2023年3年12月期も前期に続き、1桁増収にとどまった。
アマゾンジャパンの売上高には、直販ビジネスのほか、第三者販売の手数料収入、定期購入サービス、AWSなどが含まれている。流通総額は公開していない。
前出の比良氏はアマゾンの直販売上高について、「アマゾンが公表したデータの通り、日本事業の売上高は前期比6.6%増と1桁増となった。アマゾン全体における直販の売上高は、前期比5.4%増。第三者販売手数料の売上高は、前期比19.0%増となっている。直販の売上高よりも、第三者販売手数料の売上高の方が、圧倒的に伸びが大きい。国内の動向からも同様の傾向があるとみている」と話す。
比良氏は、日本事業の傾向について、「アマゾン全体で広告の売上高が前期比24.3%増と大きく伸びている。日本でも広告の需要は年々増しており、同様の傾向があるとみている」と話す。
「昨年に続き、日本でも動画広告にはアマゾンとしてもかなり注力している。今後は、米アマゾンで注目されている、ライブコマースやショート動画など、動画を活用した商品訴求がさらに過熱していくとみている」(同)とも話す。
外部の広告状況については、「アマゾン内に限らず、外部での広告枠も増やしている。外部からの集客にも力を入れている印象だ」(同)としていた。
全体は11.8%の増収に
アマゾン全体の売上高は、前期比11.8%増の5747億8500万ドル(約80兆円)。アマゾンの全売上高に占めるアマゾンジャパン(日本事業)の割合は、前期比0.2ポイント減の4.5%となり、前期に引き続き減少となった。
日本以外の地域別の売上高は、米国が前期比11.1%増の3956億3700万ドル、ドイツが同11.9%増の375億8800万ドル、英国が同11.7%増の335億9100万ドルとなった。米国・ドイツ、英国、日本以外の地域の合計は、同17.4%増の819億6700万ドルとなった。