最大の焦点となったのは、クーリング・オフ後の返金拒否への罰則導入だ。消費者系の委員は「返金しないことは横領に近い悪質行為であり、クーリング・オフ妨害と同様に罰則を科すべきだ」と訴えた。
クーリング・オフ後の返金については、600万円規模のリフォーム詐欺が発生しており、クーリング・オフを申し出ても業者が逃げてしまう事例が、消費生活相談の窓口に相次いでいるという。
委員からは、「近代法の民事・刑事分離の原則から、単純な債務不履行への刑事罰は認められない。法制化には限定要件の整理が不可欠だ」と、罰則規定の導入の壁の高さを指摘した。
大屋雄裕座長は「罰則を入れたくない委員は誰もいないが、法制局が納得できる理屈をもう一段詰める必要がある」と事務局に宿題を課した。
物なしマルチについても、議論が紛糾した。情報商材や投資商材を名目にした連鎖販売では、数億円から数十億円規模の被害が発生している。それにもかかわらず、事業者への処分は執行猶予付き懲役と数百万円の罰金にとどまっている。違法収益がそのまま残る実態が複数の委員から報告された。
消費者系の委員からは「やり得を許す現状では被害はなくならない」と強く批判した。座長は、特商法での対応が適切かどうかを含め、他の手段も視野に検討する方針を示すにとどめた。
