ecbeing(イーシービーイング、本社東京都、林雅也社長)は2月14日、EC構築プラットフォーム「ecbeing」の2023年における流通総額が前年比25.1%増の1兆2405億円となり、初めて1兆円を突破したと発表した。受注規模の拡大やBtoB取引の増加、利用企業の顧客のファン化の成功などが流通総額の増加に貢献したという。
「ecbeing」は1999年の販売開始以来、大手や中堅企業を中心に1600サイト以上の導入実績がある。EC構築パッケージとしては国内トップシェアを誇るという。
流通総額が増加した最大の要因は、受注規模の拡大だ。店舗を持つアパレル業界を始めとする、さまざまな業界・業態の顧客のECサイト、モール型ECサイト、ネットスーパーなど、大規模な構築案件を幅広く手がけた。
さらにBtoB分野のデジタル化が大きく進んだことも要因の一つとして挙げている。各業界において、従来アナログ方式で行われていた受注業務をECサイトに移行するDXの動きが多く見受けられた。
BtoC・BtoBともに、「ecbeing」利用企業において、既存顧客のファン化に成功している企業が増えていることも大きく影響した。利用企業はファン化のためのCRM施策を強化し、リピート購入やLTV(顧客生涯価値)向上に注力した。同社が提供するデータマーケティングツール「Sechstant(ゼクスタント)」の活用で成果を上げた企業も多数あったという。
「2023年、BtoCにおいてはウェブ上の新規顧客獲得コストが増大した。出店も過剰な状況となっており、さらには生活者のオムニチャネル化が進んでいる。この厳しい競争環境の中で生き残るためには、Eビジネスを構築し、ウェブとリアルのデータを活用してLTVを向上させる必要がある。そのため、データ活用の重要性がますます高まっている。今後も当社のデータマーケティングツール『Sechstant』を中心としたデータ分析から、その結果を活用した施策まで、全方位的な支援を提供していく」(林社長)と話す。
レビューやSNS連携、動画活用、店舗予約、アプリ活用、AIチャットボットの導入など、最新トレンドを押さえた「マイクロサービス」をグループとして提供していることも、利用企業のCRMに貢献したとみている。
2023年における年間受注件数は、約8359万件となっており、5年連続で増加した。