この研究成果の一部は、2026年6月11日から14日に開催された第125回日本皮膚科学会総会で発表された。シーボンによると、脳と皮膚は発生学的に同じ起源を持つことから、心と肌には関係があるとされている。これまでにも、アドレナリンがメラニン産生を促進し、ストレスがシミ形成に関与する可能性を報告していた。

▲心理的ストレスを受け続けることでメラニン産生が活性化する可能性
今回の研究では、まず心理的ストレスを受け続けた状態を模した実験を実施した。アドレナリンは心理的ストレスを受けると副腎髄質から分泌されるホルモンであり、ストレスが続くと血中濃度が上昇する。実験では、異なる濃度のアドレナリンをメラノサイトに作用させ、細胞内のメラニンを染色して観察した。その結果、アドレナリンを作用させた細胞は茶色から焦げ茶色に染色され、高濃度ほど色が濃くなった。さらに、メラニン産生に関与する酵素であるチロシナーゼの活性も、アドレナリン濃度に依存して増加したという。

▲ストレスを感じれば感じるほどメラニン産生が促進され、シミ形成を加速させる可能性が示唆
次に、心理的ストレスを受けながら紫外線を浴びた状態を想定した実験を行った。紫外線がシミの形成に影響することは広く知られているが、今回の実験では、紫外線曝露の模倣とアドレナリン作用を同時に与えた細胞がより濃く呈色し、チロシナーゼ活性も増加したことが確認された。

▲心理的ストレスを受けながら、紫外線を浴びることでメラニン産生が促進する可能性
シーボンは、アドレナリン単体、または紫外線曝露とアドレナリンの組み合わせがメラニン産生を促進する可能性があるとしている。今後は、慢性的な紫外線曝露や心理的ストレスによるアドレナリン刺激がメラニン産生に与える影響や、メラノサイト周辺の表皮角化細胞との関連についても検証を進める方針だとしている。
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