健康食品の通販大手として知られるサントリーウエルネス(本社東京都、栗原勝範社長)では、大人の男性向けスキンケアブランド「VARON(ヴァロン)」が急成長している。同ブランドの2025年12月期の売上高は、前期約30%増の63億円となった。シニア・ミドル層の男性を中心に大きな支持を得ている背景には、手軽さと効果体験があるようだ。同社の酒巻真琴スキンケア部長に、急成長の背景や、顧客のLTVを高める独自の取り組みについて聞いた。
独自の三層構造技術
──「VARON」の2025年の業績は前期比31%増と、市場全体の伸びを大きく上回る急成長となっている。何が現代のミドル・シニア男性の心を捉えたのか。
「VARON」は、40代~60代以上の男性をメインターゲットとしている。ヒットの最大の要因は、1本で手軽にケアができる利便性と、何よりも圧倒的な「効果体感」にある。
これまでスキンケアの習慣がなかった男性にとって、化粧水、美容液、クリームを正しい順番で複数重ねて塗るという行為は、ハードルが非常に高い。順番を間違えたり、化粧水だけで済ませてしまったりして、十分な保湿効果を得られないケースが多々あった。
この「面倒なステップを省きながら、正しい順番でケアしたのと同じ高い効果が得られる」という技術的裏付けが、多くの男性に確かな肌の変化をもたらし、支持につながった。
私自身の父親も高齢ながら「VARON」の愛用者であり、肌がモチモチになったと喜んでいる。本人が嬉しそうにしていると、周囲の家族までポジティブな気持ちになる。スキンケアには、単なる美容の枠を超えた力があると実感している。
94%のリピート率を支える
──「VARON」のLTVの施策について聞きたい。
私たちは、お客さまの年齢やライフスタイルに応じてアプローチの手段を明確に分けている。例えば、お電話でのコミュニケーションを好まれるシニア層のお客さまには、コールセンターのオペレーターから直接お電話を差し上げる。その際、単に「いかがですか」と商品の感想を促すのではない。「『VARON』を使い始めてから、身の回りで何か変わった変化はありませんでしたか」という問いかけを行う。
スキンケアを始めて一週間ほどでは、劇的な肌質の変化までは感じにくいかもしれない。
しかし、「奥様や周囲の人から『最近若々しくなったね』と言われた」「鏡を見るのが楽しみになった」といった、生活や意識の変化(インサイト)を引き出すことができる。その小さな変化をご本人に認識していただくことで、「もう少し続けてみよう」という継続の動機付けにつながっている。
一方で、電話に出る機会が少ない比較的若い世代のお客さまに対しては、公式LINEを活用している。
時間が経ったタイミングで「使い心地はいかがですか」と経過を伺ったり、ロジカルに継続のメリットを伝える情報を配信したりと、デジタル上でのコミュニケーションを最適化している。
こうした取り組みもあり、定期で本購入したお客さまの2回目の継続率は、94%と高い水準を維持している。
