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2026.07.07

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「悩みに寄り添い本質的な『生涯価値』追求」DECENCIA 西野英美社長 インタビュー

西野英美氏


ポーラ・オルビスグループで敏感肌特化型スキンケアのD2Cを展開するDECENCIA(ディセンシア、本社東京都)。2025年12月期の営業利益は、前期比13%増の55億9200万円となった。稼ぐ力を伸ばしている同社の西野英美社長に、社長就任後1年半の振り返りと、目指す「本質的なLTV」について聞いた。



──敏感肌市場とDECENCIAの立ち位置について聞きたい。
 
敏感肌市場全体は堅調に推移している。その中で当社の強みは、約20年前から「敏感肌だからといって美しさを諦めなくていい」という軸に真摯に向き合ってきた歴史だ。
 
エイジングケアや美白といった多機能な価値を提供し、使っていることに誇りを持てるブランドとして、美容メディアや顧客から高い評価を得ていると実感している。
 
DECENCIAは、商品の質は極めて高いと自負している。ただ、ブランドの魅力を伝えきれていないという点に伸びしろがあると感じている。
 
当社はD2Cの会社であり、購買データは緻密に分析されている。ただ、その裏側にあるお客さま一人一人のストーリーに対する「顧客解像度」がつかみ切れていないとも感じている。
 
例えば、同じ「敏感肌」であっても、元々の体質なのか、突発的な異変なのかで顧客の背景は全く異なる。そのため、年齢や契約形態で一律にセグメントするのではなく、顧客の肌状態や心理に合わせて、コミュニケーションすべきだと考えている。
 
──具体的に顧客とどうコミュニケーションを図っているのか。
 
定期ビジネスにおいて、商品が届く「配送箱」を開ける瞬間は顧客との大切な接点である。単に化粧品という「製品」を届けるのではなく、きれいになる瞬間の高揚感を提供したいと考え 、2カ月に1回、私が自ら執筆する「交換日記(社長メッセージ)」の同梱を始めた。
 
イベントなどでお客さまとお会いした際に「あの手紙の人ですか?」とお声をかけていただくなど、直接的な影響も生まれている。とてもうれしい。
 
──前期は売上高が横ばいながら、営業利益が大きく増加した。今期の成長戦略は。
 
当社はここ数年、売上高50億円台を維持しているが、このトップラインの成長にも可能性を感じている。
 
ただ、われわれが目指すLTV(顧客生涯価値)を考えれば、短期的な年間購入総額ではなく、「どれだけ長く愛され、使い続けていただけるか」という本質的な期間の長さとして捉えるべきだと考えている。
 
2026年12月期の目玉として、春に医薬部外品の新世代美白シリーズ「ディセンシアホワイト スパイク―VC」を発売した。成分を変えないでほしいというお客さまが多い中で、今回は、なぜ刷新するのかという背景や研究理論を丁寧に説明した。その結果、離反を極めて少なく抑え、スムーズな新旧移行を実現した。
 
──今後のチャネル戦略と目指すべき未来は。
 
EC主軸ではあるが、リアルな店舗チャネルも「欲しい時に欲しいタイミングで手に入る」体験として不可欠だ。
 
先日、北海道エリアで認知から実店舗へつなげるテストマーケティングを実施したところ、リアルな接点がもたらす安心感や検索性の向上が実証された。
 
単に一過性の広告を打つのではなく、顧客が買いやすい体験を複層的に設計し、DECENCIAらしい持続可能な成長戦略をこの1~2年で確立させたい。

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