創業100周年の大きな節目を迎えるヤマノビューティメイトグループ(本社東京都)。美容クリニックの台頭や物価高といった激変する市場環境の中、同社は独自の「泥と琥珀」のメソッドに最先端の科学を融合させ、新たな攻勢に出ている。山野幹夫社長に、注目の「サロン活性化プロジェクト」の全貌や、新技術「琥珀&植物性高濃度エクソソーム エイジングケア『再生エステ』」の開発秘話などについて話を聞いた。
独自メソッドと科学の融合
──昨今の美容クリニックの速効性に対し、どう差別化を図るのか。
クリニックのようなリスクや副作用を避け、自身の肌をベースに美しさをキープしたいという自然派のニーズは根強く存在する。
当社は60年前から、「どろんこ(泥)」による「取る美容」を提唱してきた。そして、世界初の特許を取得した琥珀エキスによる技術である「琥珀」による「与える美容」も訴えている。
この独自メソッドを基盤に、時代の流れを取り込み、最先端技術を吸収した独自成分と効果で生まれたのが、第1弾の「再生エステ」だ。
これは、最先端の「エクソソーム」と当社の「琥珀エキス」を融合させた新成分「琥珀(コハク)ソーム」を用いたエステだ。
市場にある多くの化粧品は、ヒト由来のエクソソームを使用しているが、当社は「植物性(ブドウ由来)」に徹底してこだわった。樹脂の塊である琥珀も元々は植物なので、成分としての相性が極めて高い。4月から本格展開しているが、既存商品の置き換えではない。客単価向上だけでなく、来店動機の創出にもつながっている。
100周年で挑む/「洗顔ブーム」
──今夏には、プロジェクトとして「100年洗顔エステ」を打ち出すと聞いた。
当社は今年、1925年の創業から、ちょうど100年を迎える。
この節目に、伝統の技術、泥、そして新たな琥珀の3点を集結させたのが「100年洗顔エステ」だ。
現在、中国で洗顔専門サロンが急成長するなど、世界的な洗顔ブームが再燃している。どれほど高価な化粧水やクリームを使っても、肌の汚れが落ちていなければ成分は浸透しない。洗顔の重要性を世の女性たちが再認識している今こそ、「洗顔と言えばヤマノ」という原点に立ち返る。
──今回のリニューアルでは、新しい琥珀の成分も導入すると聞いた。
岩手大学との5年間に及ぶ産学連携研究により、世界三大琥珀の一つである岩手県・久慈(くじ)産の琥珀から、肌細胞の長寿遺伝子である「サーチュイン1」の産生を促進する効果を持つ新エキスの抽出に成功し、特許を出願した。
この「久慈アンバーエキス」を、10年ぶりの全面刷新となる主力製品「クレオリシリーズ」にぜいたくに投入する。 地方創生という差別化も含めつつ、戦略的に値段をあえて下げて提供する。
お客さまが手に取りやすい価格帯である3万円台後半に設定し、間口を一気に広げてサロンの活性化へとつなげていく。
次の100年へのスピード感
──教育体制の変革は。
プロジェクトの根幹は「教育」にある。昨年9月から10カ月間、全国を回って徹底的な技術教育、理念教育、創業者の精神、時代に合わせた新戦略などの教育を行った。
当社のヤマノ原宿スタジオから、プロのカメラマンによるZoomを含めたハイブリットな方法による生中継を組み合わせた「ハイブリッド型」の配信教育の仕組みを構築し、全国どこでも均一な技術を学べる環境を整えた。
他社のように訪問販売からエステへ転換するのに苦労している組織とは違い、当社の代理店は最初から「エステサロンをやりたい」という思いを持った技術志向の人材が7割を占めている。
だからこそ、新メニューへのキャッチアップが圧倒的に早い。これが当社の最大の強みだ。
