「スカルプD」などのヘルスケア事業で知られるアンファー(本社東京都、吉田南音社長)のグループ会社のライカ(本社東京都、土本和彦社長)が運営をサポートするオンライン診療専門の「SDHクリニック」は、定期購入縛りの排除と医師の対面による診療を徹底している。参入が相次ぎ顧客獲得競争が激化するオンライン診療市場において、顧客の信頼性の獲得を意識し、後発ながら新規顧客の開拓を進めている。
同院の最大の特徴は、現在のオンライン診療市場で主流となっている「定期購入契約(定期縛り)」を戦略的に採用していない点にある。
現在、SNSを中心に集客を行うオンライン診療の中には、初月料金を低価格に設定する一方で、実質的に1年以上の継続購入を前提とした契約形態をとる事例が少なくない。
これに対し、SDHクリニックでは1カ月分からの都度購入を基本としている。特に、同院で現在最も売上規模が大きい「メディカルダイエット」領域では、GLP―1受容体作動薬などの医薬品を処方することもある。
体調管理や副作用のリスクが伴うセンシティブな領域であるため、自動的に医薬品を送り続ける仕組みを避け、患者の状況に応じた処方を行うための判断を行っているという。
継続的な治療を望む患者向けには、3カ月分をまとめて購入することにより、1カ月分を安価に購入できる選択肢も提供している。
診察プロセスにおける運用の適正化にも注視している。
オンライン診療業界の一部では、無資格のスタッフが説明の大半を担い、医師の関与が極めて短いケースや、音声電話のみで簡略化された診療体制があることも課題の一つだ。
同院では専任の医師を配置し、ビデオ通話を通じて患者と対面で向き合う体制をとっている。事前にウェブ上で回答された問診票のデータを活用して診察を効率化しつつも、医師が直接、医薬品の副作用やリスクについて説明を行うプロセスを省略せずに実施しているという。
現在、同院ではメディカルダイエットのほか、AGA(男性型脱毛症)やED(勃起不全)などの自由診療に対応している。
AGA治療においては、ミノキシジルとフィナステリドを1錠に配合した独自の合材を処方するなど、利便性を高める工夫も行う。集客面ではアンファーの既存顧客に依存せず、ウェブマーケティングを中心とした新規顧客の獲得に動いている。
媒体による広告規制が厳格化するなか、今後はSNSを通じた医師による情報発信の強化や、自社開発システムのアップデートを進め、LINEを活用した電子カルテとのひも付けや、カスタマーコミュニケーションの効率化への投資を計画している。
利便性や低価格競争が先行しがちなオンライン診療の領域において、SDHクリニックが実践する都度予約・処方の仕組みと対面診察の徹底は、医療の安全性を確保するための選択肢として、今後の市場における一つの基準を示している。
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