阻まれる営業生産性
調査は全国の営業担当者2400人を対象に実施した。
調査によると、商談を行う営業担当者のうち、実に82.0%が現在も訪問を軸に活動しており、対面による信頼構築がビジネスの最前線を支えていることが分かったという。

▲商談を行う営業の82.0%が「フィールドセールス」
ただ、外回り営業は、移動や帰社後の事務作業に多くの時間を奪われているそうだ。1件の商談時間を45分と仮定して試算したところ、本来の商談に充てられている時間は、一日の労働時間のうち、わずか23.0%にとどまることが分かったという。

▲商談に充てられるのは一日の23.0%(試算)
さらに、活動報告や日報の入力業務についても、全体の58.6%が移動中や訪問先といった隙間時間を活用できず、オフィスや自宅に戻ってから行う「持ち帰り業務」にしている実態が明らかになった。

▲報告・日報入力の58.6%が「帰社後・帰宅後の持ち帰り」
報告ツールに対する最大の不満としては、27.2%が「手入力・記入が面倒」であることを挙げており、入力環境の不備が現場の負担となっているようだ。
AI活用のボトルネック
調査では、営業担当者の訪問件数が増えても、週あたりの日報入力時間は50~66分とほぼ一定であることも分かったという。

▲訪問が増えるほど記録は薄くなり、顧客情報が蓄積されない
これにより、訪問件数が多い活動高頻度層ほど、1件あたりの記録時間が短くなり、試算ではわずか2.0分にとどまっているという。
訪問量が増えるほど1件あたりの記録が薄くなるこの現象は、重要な顧客情報の取りこぼしに直結しているという。
同社は、こうしたデータの不備が今後の営業戦略におけるデータ活用や、AIを活用した業務変革を進める上での大きなボトルネックになりかねないと指摘している。
進まぬDX実感
企業のデジタル投資が進む一方で、現場の意識との乖離(かいり)も明らかになったという。
勤務先の営業DXが「進んでいる」と実感している層は23.8%にとどまり、営業支援システムや顧客管理システムを導入していても、約2割(19.1%)が「進んでいない」と回答した。 システムの導入そのものが、必ずしも現場の業務効率化の実感に結びついていない現状がうかがえるとしている。

▲営業DXの進捗

▲ツールを導入しても、DXの実感は伴わない
一方で、事務作業が効率化されて時間が空いた場合に何をしたいかという問いに対しては、「商談」「既存フォロー」「新規開拓」といった本来の営業活動を選択した人が47.3%にのぼり、営業に対する意識の高さがうかがえたとしている。

▲現場が本当に時間を充てたいのは「本来の営業」
