三木谷浩史社長は国内EC事業の過去3年の年平均成長率(CAGR)について言及し、「国内EC流通総額は3年を通した成長率が10%となり、6兆円を達成した。特に『楽天市場』の3年CAGRが8.1%と業界平均の3.1%を上回っている」と説明した。
純第4四半期の国内EC流通総額は同6.2%減の1兆6067億円になった。楽天ペイ(オンライン決済)事業をフィンテックセグメントに移管したり、ふるさと納税やSPUのルール変更、全国旅行支援終了の影響を除いた場合の試算では、プラス成長だったという。
2024年12月期の国内EC流通総額の成長率は前年よりも緩やかになると見込んでいる。SPUコストの一部を「楽天モバイル」から「楽天市場」へ移管したり、「楽天トラベル」で全国旅行支援が終了したりする影響が生じる見通しだ。2024年の後半から成長率を高めていく計画だという。
連結売上高は前期比7.8%増の2兆713億円となり、27期連続の増収を達成した。営業損益は2128億円の営業損失(前期は3716億円の営業損失)、当期純損益は3394億円の純損失(同3772億円の純損失)だった。
三木谷社長は、「1年間かけて、さまざまな最適化を実施し、大幅なEBITDAの黒字を達成した。Non-GAAP営業利益に関しては2023年12月に212億円の黒字を達成した。インターネットサービスセグメントで189億円、フィンテックセグメントで132億円、モバイルセグメントで366億円改善している」と収益改善の成果を強調している。
収益改善に加えて、2024年2月に資金調達を実施し、2024年のリファイナンスリスクは解消したと説明した。