コンタクトECプラットフォーム「レンズアップル」を運営するパレンテ(本社千葉県)は、2026年6月期の業績において「計画通りに売り上げを維持し、順調に推移した」(吉田忠史社長)と説明する。2025年6月期の売上高は364億円だった。同社は今後、コンタクトレンズの小売り・メーカーという域を超え、視界を通じて人生を豊かにする〝ビジョンライフカンパニー〟への進化を掲げている。
──2026年6月期はどうだったか?当社にとって50周年、自身にとっては社長に就任して15周年となる、節目の1年だった。会社の背を伸ばすような、これまでの拡大成長戦略から、会社が筋肉質に変わる良い挑戦ができた。
社長に就任してからの15年間、売上高やシェアの拡大において、ECへのチャネルチェンジが必須と考え、注力してきた。ただ、このまま未来永劫、会社が強くなり続けるとは言いがたい。競合他社もECへの参入障壁が低くなってきており、ここ4~5年で、商品やサービスの差別化はさらに難しくなってきた。
それを踏まえ、当社では「レンズアップル」という屋号や、PB「WAVE(ウェイブ)」をいかに成長させるかという、起点の年になった。計画通りの売上高の維持、シェアの拡大、粗利率の改善など、新たな挑戦が順調に進んでいる。
──特に手ごたえを感じたことは?「レンズアップル」で他メーカーの商品をしっかりと売りつつ、PB「WAVE」のシェアも拡大できたことが、特に大きな事業成果だった。
他メーカーの商品からPBにスイッチをかけるのではなく、PBはPBとして新たな客層を獲得でき、会社として強くなったと感じる。
──「WAVE」のイメージキャラクター「Snow Man」のメンバー3人の影響は大きいか?もちろん大きく寄与している。
彼らを起用したコンテンツを初めて公開したのが2025年4月。「WAVE」の世界観の中で彼らが歌ったり踊ったり、賑やかに掛け合いをしたりと、ファンを惹きつけることに特化した動画は、狙い通り何度も繰り返し再生されている。シリーズとして、これからも定期的に新作を公開する計画だ。
テレビCMは関東ローカルのみで放送した。今回のプロモーションで顧客の購入の障壁になっていたことなど、課題を分析したアウトプットがまとまっているので、次は全国のマスに向けた放送で、実証していきたい。
──何が課題だったのか?「コンタクト」は全員が使うものではない、特殊な商材だということを踏まえて、プロモーション設計の段階でもう少し対策できることがあった。既にコンタクトを使っている層も、単に「彼らのファンだから」という理由だけで乗り換えられるものでもない。
ただ、「乱視用があれば乗り換えたい」「まずは試したい」という声を受け、実際に今年2月に乱視用を発売したり、試験的にトライアルセットを販売し、そこからの定着率を測ったりと、その後の戦略に生かせている。
──今後の展望は?「WAVE」というブランドの中で、視界を通じて人生を豊かにできるプロダクトを展開していく。今年6月に第1弾シリーズを発売したアパレルラインも、その一環だ。
単に物を右から左に動かす小売り業者の域を脱し、人間の「見る」という活動に対してより創造的な価値を提供できる会社になろうと、社内の共通の意識も日常的に高めている。