休眠1900人復活
──「フェイシャリストシリーズ」のリニューアルから半年が経過したが反響は。
「フェイシャリスト」のリニューアルは、シーボン創業60周年を機に始動したブランディングプロジェクトの一環だ。ミニマルな上質さやシーボンが提唱する「共奏美容」を体現するシリーズとなった。肌、心、そして身体は深くつながっている。
当社が長年研究を続けている「ストレスケア」の技術と「独自の保湿技術・5STEP週間」を結集させた。
その結果、当社の最大の強みである既存のロイヤル顧客層が、新製品の登場に合わせて非常に高い購買力を示してくれた。
──「フェイシャリスト」リブランディングの本来の狙いは新規顧客の獲得だったが、成果は。
新規獲得という点では、まだこれからだと感じている。
ただ、今回のリニューアルでは予期せぬ大きな収穫があった。
コロナ禍などを理由に、1年以上足が遠のいていた休眠顧客約1900人が、このリニューアルを機に製品を購入し、サロンへ戻ってきてくれた。
これは、2026年3月期の業績においても非常に大きな牽引力となった。
──一度離れた顧客が、なぜこれほど戻ってきたのか。
お客さまからは、「やはりシーボンが良かった」と再確認したという声を多くいただいている。
現在、市場では、ドラッグストアから百貨店コスメまで選択肢があふれており、何を選べばいいか迷う時代だ。その中で、当社のサロンクオリティーの製品に加え、サロンでの対人コミュニケーションによる「独自の価値」を改めて評価してもらえた。一度限りの購入ではなく、引き続き定着していただいている。
──今回のリニューアルでは、どのような技術的アプローチを行ったのか。
当社が長年研究を続けている「ストレスケア」の技術を結集させた。あらゆる肌トラブルの原因がストレスにあるという点に着目し、最新の製剤化・乳化技術によって、シーボンらしい濃密で濃厚な高保湿のテクスチャーへと進化させている。
対面接客が差別化
──デジタルやAIの活用が進む美容業界において、サロンという“リアルな場”の役割をどう捉えているか。
顧客接点において、人と人とのコミュニケーションにこそ、AIとの最大の差別化があると考えている。
東洋式トリートメントにより幸せホルモン(オキシトシン)を増加させるという実験データもある。サロンケアは単なる施術を超えたストレス緩和の場だ。スタッフはお客さまのプライベートな悩みにまで寄り添い、AIには代替できない情緒的価値を提供している。
──コスト高騰など外部環境の厳しさが増す中、今後の戦略は。
原料や容器のコスト高は直撃しているが、当社は自社工場を持つため、厳格な生産コントロールで無駄を排除している。
今後は他社とのコラボレーションも視野に入れ、フェイシャルにとどまらない「ウェルネスカンパニー」への進化を目指す。化粧品の絶対的な品質と、サロンサービスという二つの価値を絶対に裏切らない経営を徹底していく。
