家庭教師の派遣や小中学生向けの学習教材ブランド「デスクスタイル」を展開するエイジアクリエイト(本社京都府)は、7月中旬から電子契約書面の交付を開始した。営業社員の業務効率の向上を図るほか、オンライン家庭教師を本格化させることで、営業エリア外の需要取り込みを狙う。生成AIを活用し、生徒の満足度を高めることにチャレンジしている吉田友則社長に聞いた。
──2025年11月期の業績については。
売上高は前期比20%減の15億円だった。減収要因は競合他社との顧客獲得が厳しさを増しているからだ。
これまで当社が主対象にしてきた平均点以下の子どもが、個別指導塾など競合に奪われている。これまで当社は、学習塾の費用が高くて通えない、学習についていくことができないといった生徒を取り込んできた。こうした世帯がネットで調べて当社の「デスクスタイル」を利用することが多かった。
しかし、ここ数年で、個別指導塾など他の教育サービス企業も価格を安く抑えてきているほか、個別指導塾の店舗数も増えて、受け入れやすい状況になってきている。こうした状況を背景に、大手を中心に家庭教師派遣の露出が減ってしまい、一般消費者の認知も低下したことも影響している。
もはや共働きは当たり前となっているので、家庭教師のニーズはもっとあるはずだ。利便性以上に価格や店舗の増加による選択肢の広がりが当社の脅威になっている。家庭教師の時給はここ30年上がっていないので、他の職種との人材の奪い合いも発生している。
──新規顧客開拓については。
「デスクスタイル」をネットで検索して来訪要請を受けた営業社員が契約する形式が中心で、1割ほどはオンラインによる商談で契約している。原則的に商談は対面だが、家庭教師の派遣ができない営業エリア外の場合はオンラインでの契約で、オンライン家庭教師の提案を行っている。
オンラインと対面での契約率はそれほど変わりない。オンラインでの商談に抵抗も少なくなっている。家庭教師の派遣ができないエリアではオンライン家庭教師を本格化させて業容を広げたい。
──オンライン商談の拡大を受けて、電子書面での交付も始める。
紙での書面交付と申し込みを維持したまま販売代理店に書面を入力させて運用を開始した。
正式な見積書を作成し、見積書の中に商品内容と金額を記載し、電子交付の希望の有無を確認する項目を作る。
電子書面の交付により30~40代の顧客体験が高まるし、長時間勧誘も防げる。書類による管理をせずに個人情報が管理されるメリットは大きく、お客さまの都合で契約が可能になる。契約率の懸念はないし、むしろ安心材料になることでメリットが大きい。
顧客のメールアドレスが取得できるため、顧客への情報発信ができ、書類などのやり取りがスムーズになって顧客満足度が高まることにもつながる。
──AIを活用して営業社員の提案力を強化している。
今年から、当社の営業マニュアル(計4冊・1冊あたり10ページ)をAIに読み込ませ、(運用マニュアルに沿った形で)営業社員の商談内容を録音し、AIにかけることで改善策を提示するような取り組みを始めている。
AIにはNGワードも設定し、コンプライアンスについても適正な説明をしているのか、法に触れる説明がないのかをチェックすることができている。顧客とのやり取りも可視化でき、「言った・言わない」といったトラブルを防ぐことができる。
以前も商談を録音して、チェックしていた時期もあったが、AIを活用することで業務効率を図ることができている。生成AIを活用することで、顧客満足度の向上と業務効率の改善をいっそう進めていきたい。
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