最も意見が対立したのは、平均的な損害を超える解約料を無効とする現行規定の扱いだ。事務局案では、平均的な損害額の明確化が困難であるとして「見直しは行わないことが考えられる」と記載されていた。
これに対し弁護士の二之宮義人委員は、「解約料トラブル防止の目的からすれば現行規定では消費者の立証責任が壁。提案された『立証責任の転換と推定規定の組み合わせ案』は分かりやすく検討に値する」と反発。その上で、「見直しを行わないと現段階で結論づけるべきではない」と主張した。消費者側の委員からも見送りの結論を急がず、引き続き検討課題とすべきとの意見が出された。
一方、事業者側の土井和雄委員(全国商工会連合会)は「平均的な損害額を合理的に算出し、一律な基準を設けるのは非常に難しい。現行条項のまま判例を積み重ねていく方向しかないのではないか」と指摘し、実務上の困難さを訴えた。
解約料規定については、見送りの断定は避け、継続検討事項とする方向となった。
配慮規定、サブスク規定にも意見
消費者の脆弱性に配慮する規定について事務局案では、「直接的に民事上の効果や行政処分とは結びつけない」と整理された。これに対し、消費者側と事業者側のそれぞれの委員から要望が出された。
消費者側の委員からは、重大で繰り返し消費者被害を発生させる事業者に対する処分の可能性を、将来的に狭める記載は避けるべきとの意見があった。
事業者側の委員は、健全な事業者の負担が増大することへの懸念が示された。事業者に新たな法的責任や過大な負担を課す趣旨ではないことを明記してほしい、との意見も出た。全国商工会連合会の土井和雄委員は、悪質な事業者に対しては、別の法律などで取り締まりを強化することが必要と提案した。
また、サブスクリプションなど継続的な契約関係における「解約妨害の禁止」や「定型約款の変更時の事前通知」についても議論が行われた。
味の素のコーポレート本部法務・コンプライアンス部マネージャーで弁護士の佐藤沙織委員は「事前の個別通知がなければ契約変更がしにくくなる。民法上の制度との整合性を踏まえ、努力義務にとどめるか、対象事項を限定すべき」と柔軟な対応を求めた。
中間取りまとめ案は、今回の会議で出された意見を踏まえて事務局と座長が表現などを調整し、成案とされる見通し。解約料の問題など、依然として隔たりが大きい項目については、今後の検討課題として明記されることとなる。
