「2021年3月期にコロナの影響で一気に伸び、EC化率は10%を超えた。おそらく今期(2024年3月期)はEC化率が12%に達する。2033年3月期には、20%までもっていきたい」(武井CIO)と話す。
EC強化に加え、新たな買い物体験を追求する中で、マーケットプレイスを導入することにしたという。今年の夏から秋にかけて、ECサイトをリニューアルする計画がある。このリニューアルに合わせてマーケットプレイスを導入する。
「総合サイトとして考えたときはアマゾンさんや楽天さん、ヤフーショッピングさんにはかなわない。ただ、目的を特化型にすれば、集客できる便利なサイトが作れると考えた。『暮らし』のポータルとして、早く1番の位置を取りたい。品ぞろえに関しては自社ではスピードアップできない。そこでマーケットプレイスを導入することを決めた」(同)と話す。
ECサイトのリニューアルは今年中に実施するが、マーケットプレイスのリリースは2025年以降になる見通しだという。
▲マーケットプレイスで品ぞろえの余白を埋める
「マーケットプレイスのリリースは先だが、それまでにセラー(出店者)の募集などやることはたくさんある。先日、マーケットプレイスの導入を発表したことで、さまざまな企業さまからお問い合わせをいただいている」(同)と話す。
ニトリHDが取り扱う家具やホームファッション分野以外にも、「暮らし」の困りごとを解消する商品やサービスの出品も求めている。
出店者はニトリHDの1600万人を超えたアプリ会員を始めとした顧客基盤にリーチできるだけではなく、多様なベネフィット(利益)を得られる可能性がある。
「家具であればホームロジスティクスという配送会社を持っており、出店者の家具を一緒に配達することも可能だ。自社の物流拠点も全国に8か所作っている。現在は基本的に自社商品を扱っているが、将来的に他社商品を引き受けて、発送するサービスも提供していきたい」(同)と話す。
ニトリHDの店舗でマーケットプレイスの商品の受け取りや返品にも対応する計画だ。