通販のコンサルティングなどを手掛ける売れるネット広告社グループが東証グロース市場に上場して約3年となった。M&Aを主軸とした拡大フェーズへかじを切る中、創業者の加藤公一レオ氏が経営から退き、新たに代表取締役社長CEOに植木原宗平氏が就任した。CFOとして同社の上場を導いた植木原氏は、加藤公一レオ氏の「カリスマ」のイメージから脱却することを掲げている。植木原氏に、就任の経緯から今後の成長戦略、組織改革の全貌について話を聞いた。
──入社から社長就任に至るまでの経緯を知りたい。2019年に、当時IPOを目指していた当社へ経理担当として入社した。複数の事業会社やコンサルティングファーム、クラウド会計ソフトのカスタマーサクセスなどを経験してきたが、福岡でIPOを目指す会社があることを知り、当社に飛び込んだ。
私の入社からわずか半年で前CFOが退任し、社内からの推薦で急きょ、私がCFOに抜擢された。
そこからは創業者の加藤と二人三脚で上場に向けて走り抜けた。
今回の社長交代は、当社が単体事業の成長にとどまらず、積極的なM&Aによるグループ拡大路線へ本格的にかじを切ったことが背景にある。
金融やガバナンス、買収後の統合に精通した経営が合理的であるとの判断から、当時CFOの私がバトンを受け取ることとなった。
──創業者である加藤氏の存在感が非常に強い印象がある。組織文化にはどのような変化が起きているのか?これまでは、強力なカリスマ性と熱量を持つ加藤の考えや発信に共感した人材が集まる文化だった。しかし、M&Aを重ねてグループが多様化した今、加藤を直接知らない社員や異なるバックボーンを持つメンバーが次々と加わっている。
カリスマ一人に依存し、カリスマ性に惹かれて集まる構造から脱却しなければならない。
加藤が築き上げた「売れる」という強力なブランドは大切に継承しつつも、より多様な人材を受け入れ、チームとして成長できる環境へ進化させていく考えだ。
──上場維持基準として、上場後5年以内に時価総額100億円を超えなければいけないというハードルがあるが。東証グロース市場における時価総額100億円の達成は最優先課題であり、現実的な通過点だと捉えている。
これまでは個人投資家を意識した尖った情報発信が中心だったが、今後はプライム市場への昇格や機関投資家、富裕層からの投資を見据え、透明性と再現性の高い情報発信へシフトしていく。
当社の軸は、商品を売れるようにするマーケティング会社であることだ。
単にネット広告やLP(ランディングページ)の最適化にとどまらず、コールセンターを含めたCRM領域やオフライン支援、サブスクリプション型サービスなど、マーケティングの力で伸ばせる事業領域を幅広く買収・支援していく。
今年グループ化したアドウェイズの中国子会社を拠点に、巨大な市場規模を持つ海外市場への挑戦や、ゲーム領域など新しい広告チャネルのノウハウ獲得も進めていく。
多様性に対応をしていくが、単に”働きやすさ”だけを求めるのではなく、若い時期から圧倒的に成長したい、挑戦したいという強い意欲を持つ人材に応えられる場所にしたい。
グループ会社の社長をはじめ、能力と意欲のあるメンバーには積極的にチャンスと環境を提供していく。領域を限定せず、「売れる」仕組みを広げていく新たな挑戦に期待してほしい。