「くさい」イメージを払拭
「仁丹」は、亜仙薬やカンゾウ粗エキス末などを使った医薬部外品だ。「気分不快」や「口臭」「二日酔い」「乗り物酔い」に効果があるとしている。2ミリ程度の小さい粒を、かんだり飲んだりすると、独特の苦みと清涼感が感じられる。
森下仁丹では、「仁丹」のリブランディングに際して、「健やかな日々をサポートしてくれる『お守り』」と位置付けた。
同商品のイメージについて消費者にアンケートを行ったところ、「なぜ食べるのか分からない」「仏壇の臭いがする」「くさい」といったイメージがあることが分かったという。一方で、「ないと不安になる」「使うと気分爽快」といった、良いイメージを持っている人が多いことも分かったとしている。
▲「仁丹」
ビジネスマンなどが、商談などの大事な仕事の前に「気つけ」の用途で用いるケースも多いという。
森下仁丹では、「仁丹」のマイナスイメージを払拭し、「使うと気分が変わる、お守りのようなアイテム」というイメージを若い人に持ってもらうのが、リブランディングの狙いだとしている。
タクシー企画も
リブランディングのプロモーションの中心となるのが、Xでの情報発信だ。15秒のブランドムービーを制作し、Xやユーチューブで公開している。動画をきっかけに、X上でユーザー同士がコミュニケーションするような話題作りを狙ったという。ブランドムービーは公開から1ヵ月弱で150万回以上再生されたという。
「ジンタン、ありやん」キャンペーンと称し、コミカルに「仁丹」を食べるシーンを考えて投稿してもらう企画を実施している。「仁丹」に関する自分のストーリーを投稿してもらう企画も展開している。
森下仁丹では、X上で「仁丹」について話題にし、自社ECサイトや、アマゾンのブランドページに誘導するという導線を設置している。自社ECサイトとアマゾンの「仁丹」のブランドページでは、リブランディングのカラーでブランドデザインを実施している。共通のブランドイメージでデザインしているという。
3月11日には、「ジンタン、ありやん?」のラッピングを施したタクシーが都内を走り回り、「仁丹」をPRするプロモーション企画もスタートした。
専用のラッピングタクシー1台が、東京23区を走行する。加えて、タクシーの窓に「仁丹」のビンを模したデジタルサイネージを施したタクシー100台が、都内を走行するという。