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2024.03.28

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小林製薬、機能性表示食品で腎疾患の疑い 複数の通販・訪販企業でも自主回収の流れ

医薬品メーカーの小林製薬は3月22日、機能性表示食品「紅麹コレステヘルプ」の摂取者に、腎疾患が発生したと明らかにした。3月26日までに、同商品との関連が疑われる腎疾患患者が、76件あったという。腎疾患で死亡した人の中に、同商品を摂取していた人がいたということも発表している。小林製薬は、同商品を含む5製品の自主回収と、機能性表示食品の届け出撤回を発表。同商品の原料である紅麹は、食品素材として外部企業にも提供されており、複数の通販・訪販企業も自主回収を余儀なくされている。

小林製薬は3月22日、「紅麹コレステヘルプ」と紅麹原料の成分分析を行った結果、同社の想定していない未知の成分を確認したとしている。

小林製薬では、未知の成分を含む可能性がある特定ロットの番号を公表した。特定ロット以外のロットも自主回収の対象としている。回収対象となっている製品は合計30万点になるとしている。

小林製薬は、紅麹原料を代理店や商社など52社に提供していた。紅麹原料を使用している製品の自主回収を要請しているという。代理店経由で紅麹原料を購入している企業が多数あるとみられる。

ある健康食品EC企業では、小林製薬の紅麹原料を使用したダイエット系の機能性表示食品のサプリを展開していた。今回、小林製薬が、紅麹原料を使った製品の自主回収を求めていることについて、「先行してサプリの広告投資に1000万円以上をかけていた。このタイミングで自主回収となるのはかなり厳しい」(取締役)と話している。

ノエビア(本社兵庫県)など、複数の訪販企業でも、小林製薬の紅麹原料を使用していたことで、製品の自主回収を余儀なくされるケースが出てきている。

今回の一連の問題を受けて、業界からは、「機能性表示食品の新規の届け出の際の安全性の審査が、厳しくなるのではないか」と懸念するが聞かれている。

機能性表示食品制度に詳しい、リーガルエックス(本社東京都)の関山翔太代表は、「制度の透明性、安全性基準の厳格化の再検討が、消費者保護の観点から必要になる可能性がある」と指摘している。

関山氏によると、小林製薬の届け出に当たっては、欧州で危険性が指摘されていた、カビ毒「シトリニン」を、小林製薬の菌株は産生しないことをゲノム解析で証明するなど、制度に沿った安全性評価が行われていたという。今回の問題が、機能性表示食品制度そのものの問題と結論付けるのは尚早だとしている。

一方で、「安全性評価の手順や基準の見直し、長期的な健康影響に関する追跡調査の導入などが提案される可能性がある」(関山氏)と話している。




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