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2024.04.01

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【インタビュー】サントリーウエルネス サービス事業事業部 磯田純課長 シニアこそ『デジタル』が必要」「Comado」のDL数は想定の2倍


健康食品通販最大手のサントリーウエルネス(本社東京都、沖中直人社長)が2023年10月から本格提供している、健康行動習慣化アプリ「Comado(コマド)」が、提供開始から半年で、当初の計画の2倍を超えるダウンロード数を記録している。同アプリはサントリーウエルネスの健康食品などを定期購入している顧客が無料で利用できる。「『デジタルには不向き』といわれるシニアこそ、実はデジタルが必要ではないかと考えている」と話す、サービス事業部課長兼ヘルスケア事業部課長の磯田純氏に、「Comado」の戦略について聞いた。



健康行動でポイント

──「Comado」のサービス内容について知りたい。

「Comado」は、ユーザーが健康行動を習慣化することを目的としたスマホアプリだ。アプリでは、スマホで視聴できるフィットネス動画を、250本以上ラインアップしている。健康に関する雑誌や、「週刊東洋経済」などの経済紙を好きなだけ読める、「読み放題」のコンテンツも提供している。ユーザーの歩数を記録できる機能もある。

ユーザーが定期購入している商品に応じて、お薦めのコンテンツを表示する機能も備えている。レコメンド機能については、ブラッシュアップを続けている。

「Comado」の最大の特徴は、アプリを開いたり、簡単な健康行動をしたりするだけで、アプリ内でポイントが貯まる点にある。
 
例えば、アプリで「立ち上がって腕を伸ばしましょう」という表示が出て、実際に立ち上がって腕を伸ばす運動をして、「OK」をタップすると、ポイントが付与される。

貯まったポイントは、サントリーグループの、食品や健康食品などの製品の購入に充当できる。

アプリユーザーの99%以上が、サントリーウエルネスの健康食品や化粧品を定期購入している顧客だ。

シニアこそデジタル


──なぜ「comado」のサービスを企画したのか?
 
「Comado」のサービスを考案する際に、「我々はサプリの販売だけをすればいいのか」という問いを真剣に考えた。
 
サントリーウエルネスのミッションとして、「ひとりひとりの『生きる』を輝かせる~体と肌と心のつながりを通じて~」を掲げている。サプリだけでなく、サービスでも、それを実現できる方法を志そうと考えた。
 
我々のお客さまのボリューム層は60代。ブランドによっては70代がメインユーザーのものもある。

シニアのお客さまは、年を経れば経るほど、生活環境や個性が多様化している。多様なお客さまを輝かせることができるのは、「デジタル」ではないかと考えた。

シニアのお客さまはデジタルに不向きだといわれるが、逆に、シニアこそ、デジタルによるサービス提供が必要ではないかと考えたのだ。

我々はこれまで、お客さま向け冊子や紙媒体などで、サプリの宣伝だけでなく、食事や運動の大切さを説明してきた。こうした情報提供を、デジタルでも提供したいと考えた。

想定の2倍以上のDL


──「Comado」の、シニアユーザーの利用率は?

我々の想像以上に、アプリがダウンロードされている。本格提供開始から半年のダウンロード数は、想定の2倍以上となった。当社の製品を定期購入しているお客さまは200万以上いるが、その中でも多くのお客さまがアプリを利用している。

アプリを利用するとポイントが貯まるという点が使われる理由になっている。「製品を定期購入している人は無料で使える」という点も、お客さまにかなり刺さったと思っている。

シニアのお客さまが使いやすい使用感も意識した。

まず、アプリにログインすると、目立つ位置にフリーダイヤルを記載したボタンが設置されている。アプリの使い方が分からないユーザーが、電話でいつでも問い合わせできる体制を構築している。

アプリの問い合わせ窓口は、当社の電話注文を受けるコールセンターが担当している。

アプリの使用画面のデザインも、高齢者向けになりすぎないように、ポップなデザインを意識している。

アプリで貯まったポイントは、サントリーの商品と交換できるようになっている。今後は、貯まったポイントを商品だけでなく、何かの体験など「コト」と交換できるようにしていきたいと考えている。





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