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2024.04.01

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化粧品

【インタビュー】ファンケル 斎藤智子執行役員「製販一貫体制の強みを最大限発揮したい」

ファンケルの健康食品事業は、2024年2月で30周年を迎えた。2023年3月期の連結決算における、「栄養補助食品関連」事業の売上高は、前期比3.6%増の398億7100万円だった。健康食品の通販事業の売上高は、前期比5%増だったという。2024年3月期に入ってからも成長を続ける同社の執行役員・健康食品事業本部長を務める斎藤智子氏に話を聞いた。




──健康食品の通販事業について聞きたい。

 
2023年4-9月期(中間期)の健康食品の通販事業の売上高は、前年同期比8%増だった。

主力の自社ECサイトによる「自社通販」が伸びたのに加え、ECモールなどの「外部通販」も大きく伸びた。自社サイトとは異なる客層に、それぞれ適切なアプローチができたことが、成長につながった。

自社通販においては新たなチャレンジとして、ニーズが重なるケースについて、定期契約顧客に対して、別の商品の定期契約のクロスセル提案をする取り組みを始めている。

外部モールでも、健康食品の定期契約の継続率は好調だ。売り上げにも良い影響が出ている。

モノ(製品)だけのつながりに終始せず、お客さまの、より豊かな生活につながるようなコト(体験)を提供していきたいと考えている。

会員数は半年で6万人に


──昨年開始したロイヤルティープログラムについて聞きたい。

「お客さま育成モデルの構築」の一環として2023年8月、子育て世代の悩みに寄り添い応援する新サービス「ママパパsmileプログラム」を始動した。無料で会員登録をした後、このプログラムに参加すると、送料無料や対象商品5%オフなどの特典を利用できる。

同プログラムの会員数は、スタートして約半年で約6万人となっている。

「共感」を大切にしつつコミュニケーションを取ることにより、お客さまとの絆がより深まっていると感じている。お客さまのライフステージの変化に寄り添う、重要な役割を果たしていきたいと思っている。

1月18日には、65歳以上の人を対象にした、通販限定のファンケルオリジナル登録制サービスプログラム「ファンケル いきいき応援プログラム」の提供もスタートした。
 
お客さま一人一人との付き合い方をより良質化していきたい。

──健康食品事業30周年への思いは。

当事業の誕生は1994年。創業者である池森賢二が、日本人の栄養状態を危惧して、健康食品をより身近に手に取りやすくすることを目指す健康食品事業をスタートさせた。以来、さまざまな悩みに耳を傾け続け、「こうありたい」という願いに応えるために研究開発を重ねてきた。そして2024年2月に30周年を迎えた。

現在、機能性表示食品については33商品の取り扱いがある。ファンケルは独自の研究所を持つ強みを生かして、新たな機能性の探索を引き続き行っていく。
 
ファンケルグループの創業理念は、”正義感を持って世の中の「不」を解消しよう”だった。不安・不便・不満など、「不」のつく言葉を世の中からなくしたいというのは、創業時からの変わらない思いだ。

先人たちが培ってきたものを大切にしながら、新たな「不」の解消ができるような製品も作っていきたい。何よりも、「製品の先にある、誰のどのような『不』を解消するのか」という点を大切にしながら取り組んでいく。

──今後の展望は。

当社では化粧品事業の方が歴史が長い。だからこそ、「美まで考えた健康」の深い提案が可能だ。お客さまには、そうした点も改めて知っていただき、活用してもらいたい。

今後はさらに、「ファンケルブランド」として、お客さまとの心のつながりを強めていきたい。製版一貫体制で、直接つながることができるからこその強みを最大限発揮していきたい。

当社全体では、150SKUほど製品を展開している。豊富なラインアップがあり、お客さまのそれぞれの状態に対応できる総合力も強みだ。
 
これまではさまざまな商品・サービスが、点と点になりがちだった。それぞれをより強く結びつけ、お客さまとつながっていくことを意識している。これにより実際お客さまのLTV向上にもつながっている手ごたえを感じている。




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