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2024.04.01

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健康食品

【インタビュー】愛しとーと 岩本初恵CEO「売上100億円を目標に」

健康食品の通販事業などを展開する愛しとーと(本社福岡県)は、2023年に25周年を迎えた。海外展開や国内実店舗など、コロナ禍では動けなかった事業を展開し、売り上げを急拡大させているようだ。2024年9月期は、国内外で売上高100億円の達成を目標に掲げている。同社では、岩本初恵CEO自らが会社の顔となり、CM出演やSNS発信などを行っている。会社の中身が見える、その「透明性の高さ」が、同社の魅力だろう。アフターコロナを含めた今後の取り組みや、SNSなどでの独自の発信方法について、岩本CEOに話を聞いた。



──アフターコロナの取り組みについて教えてほしい。

 
通販は顔が見えない商売だ。これまでの通販では、それが当たり前だった。だがこれからの通販は、「どれだけ顔が見えるか」が重要になってくると考えている。

当社では近年、カフェやバイキングレストランといった実店舗を増やしている。私も3ヵ月に1度ほどだが、実店舗を回り、顧客と顔を合わせるようにしている。

実店舗には通販のパンフレットを設置し、持ち帰れるようにしている。当社の実店舗を気に入ってくれた人が、通販の顧客にもなってくれる。そういった循環を作りたいと思っている。

海外展開を強化


コロナ禍で停滞してしまっていた海外展開だが、2023年からやっと本格的に動き出すことができている。コラーゲンなどの健康食品はもちろんのこと、「豆腐」「おから」「せんべい」といった、日本独自の商品も売れている。

海外は、直販ではなく、卸という形で展開しており、2023年からは売り上げも拡大してきている。売り上げも国内と同等になりつつある。

CEO自らがインフルエンサーに


──SNSでの取り組みについて教えてほしい。
 
インスタグラムをメインに、フェイスブック、ティックトック、ボイシーなどを使っている。基本的には、私が発信者になることが多い。総フォロワー数は、30万人を超えている。

当社の顧客層は50~70代がメインだったが、2023年からは30~50代の顧客が増えた。

ティックトックでは、悩み相談動画がバズったこともあり、若年層の認知が急拡大している印象だ。

新たにコールセンターを新設


──テレビCMの反響はどうか。
 
九州を中心に全国で放送しており、山本リンダさんと私が出演している。

テレビCMというのは、企業の自己満足になってはいけないと思っている。顧客が何を求めているのかを考え、そのポイントを訴求する。商品を売り込むのではなく、商品の良さや、愛しとーとの岩本初恵という人物が、どういう人なのかを伝える場だと考えている。

2024年の春からは、テレビCMの本数を増やす予定だ。これまでのCMとは別に、ブランドごとの四つのCMを作ろうと思っている。

テレビCMを増やすと、電話の数も増える。特にスポットで特定の時間に増えるため、2024年3月に、天神にコールセンターを新設した。40席くらいの規模だ。

当社は9月が決算月。春から夏にかけて、売り上げを急拡大させていく方針だ。
 
海外展開による業績拡大はもちろんのこと、テレビCMでの、国内売り上げの拡大も見据えている。

2024年9月期は、全社売り上げとして100億円の達成を目指している。
 
昭和や平成初期といった時代は、成功事例をまねしていれば、ある程度成功できたと思う。若い人の数も多く、景気も良かった。売り上げを急拡大させる企業も多かっただろう。

だが、今の少子高齢化の時代はそうではない。SNSの浸透もあり、企業でなくとも、個人が発信できてしまう時代だ。まねするだけで成功できる時代ではなくなった。
 
私は父から経営学を学んだ。SNSなどでは、学んできたことを中心に発信している。時代が変わるにつれて、新たに学ぶことも多い。だが、「社員の生活を守る」という根底は、25年間ずっと変わっていない。どれだけ時代が変わっても、その根底は守り続けていけたらと思う。




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