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2024.04.01

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【インタビュー】森下仁丹 石田英嗣常務執行役員&商品企画グループ 永田梨沙氏「『ジンタン、ありやん?』でファン作り」

健康食品や医薬品のメーカーである森下仁丹は2月から、同社の看板商品である「仁丹」のリブランディングを図っている。「仁丹」が、2025年に発売から120周年を迎えるのを機に、「ジンタン、ありやん?」というキャッチコピーを掲げ、さまざまなPR戦略を実施している。「仁丹」のリブランディングを指揮している、森下仁丹の常務執行役員で事業統括本部の本部長を務める石田英嗣氏と、商品企画グループの永田梨沙氏に、リブランディングの目的について聞いた。



「健やかな日々をサポートするお守り」に


──「仁丹」について、教えてください。

石田:「仁丹」は、亜仙薬やカンゾウ粗エキス末などを使った医薬部外品だ。「気分不快」や「口臭」「二日酔い」「乗り物酔い」に効果がある。2ミリ程度の小さい粒を、かんだり飲んだりすると、独特の苦みと清涼感が感じられる。

「仁丹」シリーズはこれまで、さまざまな味の仁丹を展開しており、来年で120周年を迎える。「仁丹」をリブランディングするにあたって、「仁丹」を「ありたい自分のパートナー」「健やかな日々をサポートしてくれる『お守り』」として位置付けた。
 
関西では、「仁丹」について、おじいちゃんやおばあちゃんの家に行くと、必ず置いてあるというイメージがある。多くの方が知ってくれている。

「仁丹」の商品のイメージについて消費者にアンケートを行ったところ、「ないと不安になる」「使うと気分爽快」といった、良いイメージを持っている人が多いことが分かった。

一方で、「なぜ食べるのかわからない」「仏壇の臭いがする」「くさい」といったイメージもあることが分かった。

ビジネスマンが、商談などの大事な仕事の前に「気つけ」の用途で使ってくれるケースも多い。有名なお笑い芸人にも、「仁丹」を愛用してくれている人がいる。

「仁丹」は口に入れると、メンソールの清涼感と同じキック感がある。やる気のスイッチとして使ってくれる人もいる。

「仁丹」のマイナスイメージを払拭し、「使うと気分が変わる、お守りのようなアイテム」というイメージを若い人に持ってもらいたいと考え、リブランディングすることにした。

タクシー企画も

──具体的にはどのようなプロモーションを行っているか。

永田:SNSのX(旧ツイッター)を使ったプロモーションを行っている。インスタグラムやティックトックなどのSNSを検討したが、Xを使うと、企業やユーザー、ユーザー同士のコミュニケーションを活発化させることができると考えた。ポジティブな投稿が多いのか、ネガティブな投稿が多いのか、判定のしやすさも考慮した。

SNS上のプロモーションをきっかけに「仁丹」を知ってくれた人が、購入しやすい環境を作りたいと考えた。

ウェブ上で購入できるチャネルとしては、自社ECサイトとアマゾンを設定している。自社ECサイトとアマゾンのブランドサイトには、イメージを統一したデザインを施した。「仁丹」のブランドイメージを、今の若者でもキャッチーに目を引くグリーンカラーで統一した。

Xでは、15秒のブランドムービーを制作し、Xやユーチューブで公開している。動画をきっかけに、X上でユーザー同士がコミュニケーションするような話題作りを狙った。ブランドムービーは公開から1ヵ月弱で150万回以上再生された。

「ジンタン、ありやん」キャンペーンも実施している。コミカルに「仁丹」を食べるシーンを考えて投稿してもらう企画を実施した。「仁丹」について、味や形など、「何が気になるのか」を、ユーザーに問いかけて応えてもらう企画も実施している。ユーザーに、「仁丹」と自分の写真を撮影してもらい、投稿してもらう企画も実施している。

こうしたキャンペーンを通じて、ブランドサイトへの集客を行っている。

3月11日には、「ジンタン、ありやん?」のラッピングを施したタクシーが都内を走り回り、「仁丹」をPRするプロモーション企画もスタートした。
 
石田:仁丹の拡販には、ウェブだけでなく、店頭の卸先も増やしていく必要がある。卸先への営業も強化していく。

リブランディングは単発でなく、継続的に行いたい。




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