届け出ペースは前年越え GABAの届け出件数が突出
2023年の機能性表示食品の届け出のペースは、2022年を上回っていた。2023年4月~2024 年1月の届け出の件数は、前年同期間比9.7%増の1218件となった。機能性関与成分別の届け出件数をみると、GABAを含む製品の届け出が、突出して多いことが分かる。GABAを機能性関与成分とする届け出は毎年200件前後のペースで行われており、機能性表示食品制度がスタートした15年からの累計では、1068件の届け出がされている(2月29日時点)。
2023年の機能性関与成分別ランキングも、1位はGABAだった。2位と3位には、アイケアを訴求するルテインとゼアキサンチンがランクインした。4位には、「血糖値の上昇抑制」「脂肪の減少」を訴求すル3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロピオン酸 (HMPA)が、10カ月間で42件の届け出があり、4位となった。
3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロピオン酸(HMPA)がランクインした。HMPAについては、10カ月日間で、42件の届け出があった。
HMPAは、2022年4月~2023年3月の1年間の届け出件数は28件で、15位だった。2023年に届け出件数が急増したようだ。
2023年4月~2024年1月の事業者別の届け出件数ランキングでは、OPI・50(本社東京都)とディーエイチシー(本社東京都)が30件で同数となった。ディーエイチシーは、これまで届け出ていた機能性表示食品の再届け出を進めている。OPI・50は、オリックスがディーエイチシーの株式取得を目的に設立したSPC(特別目的会社)。2024年1月にディーエイチシーと合併した。ディーエイチシーでは今後、OPI・50として届け出た製品について、順次ディーエイチシーの製品として変更の届け出を行っていくとしている。
2023年度の届け出件数が4位だった企業は、カーブス(本社東京都)だった。中高年女性向けのフィットネスクラブを運営するカーブスは、店舗に通う女性向けにクロスセルするための機能性表示食品の届け出を加速させている。カーブスの届け出件数は、2022年度は3件だった。2023年4月~2024年1月は、21件と大幅に増えているのが見て取れる。
カーブスの届け出を見ると、GABA配合の「ウルトラプロテイン」という製品名で10品目、ターミナリアベリリカ由来没食子酸配合の「ヘルシービューティ」という製品名で10品目、計20品目の届け出があった。フレーバーの異なる同じ製品の届け出を行っているようだ。
新規成分は「ロコモ」「花粉」
2023年4月~2024年1月の新規の機能性関与成分の届け出は27件だった。新規成分で表示する機能性としては、「脂肪減少」「血糖値上昇抑制」「ひざ関節の違和感改善」などが多かった。「花粉やハウスダスト、ホコリによる鼻の不快感の軽減」を表示する新規成分の届け出も3件あった。
「女性の排尿のわずらわしさ軽減」「成人女性の一時的な心理的ストレス緩和」など、フェムケア製品の届け出が3件あった。「月経」を表示する届け出も含めると、フェムケアの機能性表示食品が増加していることが分かる。
「ひざ関節ケア」「肌の潤い・弾力ケア」「認知機能・言語記憶機能ケア」を訴求する新規の成分の届け出も複数あった。
表の見方
今回作成した各表については、消費者庁の機能性表示食品の届け出情報のデータベースで公表されているデータを基にまとめた。2015年4月1日~2024年1月31日の情報が対象。集計は24年2月29日の時点で行った。それぞれの表によって集計期間は異なる。集計期間は各表に記載している。
全ての表の集計には、撤回された製品も含んでいる。
「DHA・EPA(EPA・DHA)」には、「DHA、EPA」など、DHAとEPAの両方を含むものを集計した。「DHA」や「EPA」のみを機能性関与成分とする製品は含まない。
機能性関与成分別の届け出件数のランキングでは、2015年4月~2024年1月31日までに届け出が出されて受理された製品を対象とした。
企業別の届け出件数のランキングでは、集計対象は、2月29日時点で確認ができたもののうち、2024年1月31日までに届け出が出されて受理された製品を対象とした。