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2024.04.01

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健康食品原料メーカー

【特集:フェムテックサプリ】≪インタビュー≫常磐植物化学研究所 学術・マーケティング課 染野かなで 氏「フェムケア素材『VENETRON』 短期間摂取で『月経前』のメンタルをケア」

医薬品や化粧品原料のメーカーである常磐植物化学研究所(本社千葉県、立﨑仁社長)では1月、「月経前の一時的なすっきりしない気分の軽減」を表示する機能性表示食品の届け出が、受理された。臨床試験では、月経1周期という短期間の摂取で、月経前・月経中の不調改善が認められたという。受理された機能性表示食品に配合されているオリジナル素材、ラフマ葉抽出物「ベネトロン(同社商標登録)」の詳細や、同素材の開発に対する想いについて、常磐植物化学研究所の営業部学術・マーケティング課の染野かなで氏に聞いた。

中国原産メンタルケアハーブ


――「月経前の一時的なすっきりしない気分の軽減」を表示する機能性表示食品素材について教えてください。

このほど届け出が受理された機能性表示食品の機能性関与成分は、「ラフマ由来ヒペロシド、ラフマ由来イソクエルシトリン」です。

「月経周期が正常な健常成人女性の月経前の一時的なすっきりしない気分の軽減に役立つ」という機能を表示しています。

ラフマは、中国に自生するハーブです。医薬品の品質や安全性についてまとめられた「中国薬典」という現地の薬品法典にも収載されており、「肝臓を鎮め、心を安定させる」という記載があります。ラフマの葉は中国では古くからお茶として親しまれてきました。

そんなラフマの葉から抽出したエキスが「べネトロン」です。

 
▲ラフマの花



「負の感情」が改善

 ――どういったメカニズムで、「月経前」のメンタルケアにつながるのですか。

「べネトロン」には、幸せホルモンといわれるセロトニンの分解を抑制する作用があります。セロトニン量が少ないと、イライラや、不安などにつながると考えられています。

「べネトロン」の摂取によって、セロトニンの分解が抑制され、セロトニン量が増えることにより、精神の安定につながると考えられます。

「べネトロン」を用いた臨床試験では、月経前の「負の感情」が有意に改善したことが分かりました。

「べネトロン」を、健常な成人女性に対して、月経1周期の間、1日50ミリグラムを摂取していただいたところ、イライラする、気が張る、憂鬱であるといった「負の感情」のスコアが、プラセボ群よりも有意に低下しました。負の感情の測定は、「月経に伴う精神的・身体的不調に関する質問票(MDQ)」に基づいています。

「べネトロン」は2017年から、「睡眠の質の向上」という表示で、多数の機能性表示食品の届け出が受理されています。これまでに、「月経」を除くと、100件超の届け出が受理されています。

「睡眠の質の向上」にも、セロトニン分解抑制のメカニズムが関与していると考えられています。

 

――フェムケア市場について、どのように見ていますか。

「フェムケア」のニーズは22年ごろには、すでに高まっていました。当社が、「フェムケア」をテーマにしたウェビナーを開催すると、他のテーマのセミナーに比べて集客力が違いました。

もともと、「べネトロン」は、月経に伴う不調を改善したとの症例報告があり、月経の不調に悩む女性のニーズに応えられるのではないかと期待していました。

「月経」の届け出が受理された後は、メディアやお客さまから問い合わせが多く寄せられました。「すぐに商品化したい」という要望もいただいています。

 

植物化学の専門企業

――フェムケアの機能性素材の開発にかける想いを教えてください。

当社は、女性の社会進出を会社全体で応援しています。女性が社会で活躍するには、健康であることが不可欠です。女性特有の課題を、当社独自の食品素材を通して支えたいと考えています。

女性の健康課題の解決には、政府も積極的に取り組んでいます。

女性の健康課題は、生理や月経に限りません。今後も、植物化学の専門企業として、さまざまな女性の健康課題を解決する素材の提案に注力していきたいと考えています。




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