化粧品のサロン販売を展開するシーボンが早稲田大学と共同で行っている「エクソソームが皮膚の組織間の情報伝達を行っている」という内容の研究が、化粧品メーカーや原料メーカーの間で注目を集めているという。同研究では、「皮膚の表皮細胞のエクソソームが、真皮細胞内のコラーゲン産生に影響する」ということを確認したとしている。
シーボンは、早稲田大学人間科学技術院健康福祉学科の原太一教授と共同で、心因性ホルモンと肌との関連性の研究を行っている。今回の研究では、細胞同士のコミュニケーションツールであるエクソソームに着目して、研究を行っていた。
同研究では、コルチゾール(副腎皮質ホルモン)を表皮細胞に添加したところ、表皮細胞が放出するエクソソームが、コラーゲンの合成・代謝に関する因子を調節する情報物質に変化が認められたという。
細胞増殖に関する因子を調節する物質の変化も確認したという。
研究では、表皮細胞から回収したエクソソームを、真皮線維芽細胞に添加したところ、細胞内に取り込むことも確認されたという。
シーボンによると、表皮から放出されるエクソソームの質をコントロールすることにより、真皮細胞内で行うコラーゲン産生もコントロールできると考えたとしている。今回の研究では、細胞内にすでにある物質に変化を生み出すため、体の外にある物質を添加する必要がないことも分かったという。副作用が発生しない可能性が高いとしている。
シーボンが、2023年12月に開催された「日本分子生物学会」で、同研究について発表したところ、多くの化粧品メーカーや原料メーカーから質問が寄せられたという。
シーボンでは、表皮細胞から放出するエクソソームに変化を与えるための化粧品原料や製品の開発を目指すとしている。
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