「グリーンウォッシュ」は、環境配慮やサステナビリティーをうたった広告や製品などで、環境訴求をうわべだけで行っていることを表した造語。すでに欧州などで規制事例が相次いでいるという。
繊維産業小委員会では、2030年に向けた繊維産業政策を中心に、国際競争力の強化、新市場開拓、サステナビリティー、デジタル化などビジネス政策を進めている。
第10回会合においては、「環境配慮設計ガイドライン(案)を繊維産業のサプライチェーンに従事する製造事業者へ広く普及」「製造事業者やアパレル企業等に対する周知やガイドライン(案)に基づく製品づくりなどのキャパビルを関係機関と連携の推進」などが挙がった。
速やかな標準化(JIS化)を図って、日本の繊維企業の産業競争力を強化しつつ、諸外国とも連携して国際規格化(ISO化)を目指すことも挙げられた。
「グリーンウォッシュ」の問題に対しては、環境に関する主張の信頼性の確保(明確性)▽適正な表現での情報開示(正確性)▽環境配慮設計の根拠の明示(実証性)などの留意点やグリーンウォッシュと指摘されかねない具体的事例(表示や販売方法)─の提示を検討事項としていく。
ほかにも、売れ残り商品の量、処分方法、店頭で回収された衣料品の処理方法などに関する情報開示にも触れた。
一部の企業による取り組みであることを踏まえ、繊維・アパレル業界が処理方法などに関する情報の把握・整理を行い、情報を開示して消費者からの疑念の声に適切に応えていくべきとする意見もあった。
ルール整備についても、業界団体が中心となって自主的に開示ルールを整備するか、経産省などにおいて指針を策定すべきとする指摘も挙がった。