化粧品のサロン販売を手掛けるシーボンの「シーボン フェイシャリストサロン池袋店」は、毎月約850人の顧客が通う大規模な店舗だ。シーボンでは、ロイヤルティーの高い顧客に対する接客品質を高める施策を展開しており、池袋店も、専用のフロアやベッドを設けるなど、施策を推進している。池袋店を統括する清水麻衣子店長に、顧客との接客の工夫や、コロナ禍のサロンの様子などについて聞いた。
退職・復帰も快く
─清水店長のことを教えてください。
私は高校卒業後、シーボンのフェイシャリストとして入社しました。
子供の出産や、家庭の事情などを理由にシーボンの仕事を離れた時期もありましたが、2013年に再入社しました。2017年に店長に昇格し、現在は池袋店と赤羽店の2店舗の店長を務めています。
一度退職したときも、会社はとても理解してくれて、「いつでも戻ってきていいよ」と言ってくれました。実際に仕事に復帰するときは、落ち着いた環境で仕事に戻ることができました。
顧客の美容感度高まる
─最近のサロンの顧客は、以前と違うと感じることはありますか?
今は、ウェブやアプリで予約してくれる人を中心に、若いお客さまがとても増えています。お客さまは、SNSなどで多くの情報に触れているので、美容意識の高い人が多くなっているという印象があります。
お客さまは、きれいになるために通ってくださっているので、定期的な肌の変化をお見せするようにしています。来店してくださるお客さまへの感謝の気持ちを忘れずに、お客さまの小さな変化にも気づくように心がけて、目配り、気配り、心配りに気をつけて接客しています。お客さまの好きなもの、大切なものにもアンテナを張って、会話も楽しんでいただけるようにしています。
─接客する中で、一番印象深かったエピソードを教えてください。
シーボンで働いてからは、「一番」を決められないくらいに、心に残る感動エピソードがたくさんあります。
例えば、シーボンに6年間毎月通ってくださっている、あるお客さまがいます。明るく気さくな方で、スタッフ全員の名前を覚えてくれています。そのお客さまが来店された日のことです。お客さまは私に、「体調を崩して治療に入るので当分来店できなくなる。シーボンが大好きで、人生の一部になっているくらいだ。来たいのに来られなくなるのが、一番悲しい。元気になってまた通えるように治療を頑張りたい」と、涙を流して話してくださいました。
その時、お客さまの心には、私たちが思っている以上にシーボンがあり、スタッフがいるのだと実感しました。私の胸は感謝の気持ちでいっぱいになりました。
そんな風に言っていただけるお客さまをたくさん増やせるように、店舗全体で「満足以上」の接客ができるようにしていきたいです。
感謝を伝えて乗り切る
─コロナ禍がようやく終わりました。どのように乗り切りましたか?
コロナ禍になった当初は、世の中全体が先の見えない状態で、お客さまの来店もかなり減りました。スタッフのモチベーションが下がる中、私自身も責任者としてお店の運営に不安を感じていました。
このままではいけないと、スタッフ全員で話し合いました。「来店してくれているお客さまに目を向けて、感謝の気持ちと今私たちが出来る精一杯の真心を込めて接客していこう」と伝えました。お客さまに向き合える時間的な余裕があるコロナ禍だからこそ、お客さまの大切さをさらに実感しましたし、「自分たちにはまだまだ出来ることがある」とスタッフ全員が前向きな気持ちで仕事に取り組めたと思います。
シーボンのサロンは、それぞれの人に合わせて、寄り添った、ケアや化粧品の提案ができます。お肌のケアの結果も確認できて、喜びも共有できます。他の化粧品メーカーにできないことを提供していると思っています。