福田三千男会長は、「過去最高の連結売上高・営業利益だった。この背景には、10年から取り組んできたSPA体制と、コロナ禍で加速したEC事業の結実がある」と話した。
自社ECサイト「.st(ドットエスティ)」の会員数は、約1750万人(前期末比200万人増)となっており、同社の実店舗やECサイトにおける会員売上比率は約7割と高水準を維持している。連結売上高に占める自社ECサイト比率は約15.1%(前期は約15.0%)と拡大している。
自社ECサイトの売上拡大には、昨年3月に子供服ブランド「pairmanon(ペアマノン)」を運営するオープンアンドナチュラルが傘下に入ったことや、「.st」のモール展開が影響している。
「外部企業に『.st』に参画いただくモール型の事業である、自社ECのオープン化も進捗した。美容家電、コスメ、シューズ、インナーなど、各カテゴリーの有力企業に参加いただいており、運営ノウハウが蓄積されてきたことで、これからさらに拡大していく。当初から実施していた当社スタッフによる商品紹介に加えて、『.st』に広告を出稿いただくなどの取り組みも進んでいる」(木村治社長)と話す。
スタッフのインフルエンサー化も推進している。スタッフ個人のSNS総フォロワー数は1年間で倍増し、1000万人に到達した。自社ECサイトの売上高のうち、スタッフコンテンツ「スタッフボード」やSNSを経由した売上高は約3割を占めている。
「.st」会員の獲得効率の高いOMO型店舗「ドットエスティストア」の出店も強化している。今年2月には、東京23区初となる「ドットエスティストア」を浅草に開設した。2025年2月期も8店舗の出店を計画している。