第二期工事を竣工した岐阜北方工場は、天然水の採水から、ウォーターボトルの成型、天然水の充填、梱包、保管、出荷まで、水ボトルの生産を一貫して行える設備を有している。
▲北方工場の外観
12リットルの水ボトルの生産可能本数は、月間最大240万本。現在は、月間約50万本を製造しているが、7月には、月間製造本数を100万本にまで高める計画だ。将来的に、フル稼働を目指すとしている。
工場は、AGV(無人搬送ロボット)や高密度自動倉庫などを備えている。
工場内では、巨大な多関節ロボットアームが、梱包した水ボトルを、次々とパレットに載せていく。水ボトルを載せたパレットは、AGVによって工場内を運搬され、巨大な保管庫へと移転される。
保管庫には、住友重機械搬送システム(本社東京都)が提供している、ディープストレージ式高密度自動倉庫「MagicRack(マジックラック)」が設置されている。水ボトルがパレットごと、自動で倉庫に納入される。出荷作業も自動で行われる。
保管庫では、水ボトルが5日程度保管される。水ボトルはパレットごとに、システムで、コードが割り振られている。製品である水ボトルだけでなく、生産に必要な原材料もすべて保管庫に収納されており、自動で生産ラインに供給されるという。
▲工場内で運搬作業を行うAGV
省人化ラインで出荷本数は約5倍に
プレミアムウォーターによると、同社の従来の採水工場では、一つの生産ラインと出荷ラインに、人員を合計7人配置する必要があったという。
岐阜北方工場では、自動化を進めたことにより、従来よりも1人少ない6人の人員配置で作業を行えるようになったとしている。さらに、生産・出荷能力を約5倍に高めることができたという。
工場の自動化を進める背景には、トラックドライバーの残業時間が制限される「2024年問題」に対応するという目的もあるとしている。「2024年問題」では、1台のトラックに荷物が積載されるのを、複数のトラックが待機する「荷待ち」の状態が多数発生することが懸念されている。
岐阜北方工場には、複数のパレットに積載された水ボトルを、一度に積む設備もあるという。工場内の自動化設備と併せて使用することにより、「荷待ち」の解消が図れるようになっているとしている。
岐阜北方工場で製造した水ボトルは、関東・東海の4件、北陸の3県、関西地方の顧客に、それぞれ配送できる体制を取っているという。
プレミアムウォーターは、工場がある岐阜県北方町と、「災害時における飲料水の供給に関する協定」を締結している。同日開催された竣工式では、北方町の戸部哲哉町長もあいさつした。